兵庫県姫路市にある創業半世紀以上の山根鉄工所。社員数11人のアットホームな会社です。近年は製造業に対するネガティブな3K「きつい」「汚い」「危険」のイメージもあり、従業員募集をしても応募すら来ないという状態が続いていました。
そんなときに出会った「外国人採用」。「補佐的な役割の人でもいいから来てくれれば…」との気持ちで臨んだ外国人採用で、想像以上の反響を得て優秀な人材の獲得に成功しました。
採用したアルバニア人男性は製造業が全くの未経験でしたが、入社から半年が経って、今では立派な技術者に成長して会社を支える存在になってくれているといいます。なぜ優秀な人材に出会えたのか、さらにどのような育成を行ったのか、代表取締役社長夫妻にお話を伺いました。
きっかけ
- 大手求人サイトやハローワークで募集しても応募がなく採用してもすぐに辞めてしまう状況が続いた。
- 信用金庫からヨロワークを紹介され、永住資格を持つ外国人を採用できることを知った。
導入
- 技能実習生は数年で帰国してしまうが永住資格者なら長く働いてもらえる可能性があると感じた。
- 機械オペレーター職の募集でやる気があれば採用する方針だったため、外国人でも問題ないと判断した。
結果
- 日本人向けの求人媒体では応募がなかったが、ヨロワークでは初日から多くの応募があり日本語能力が高い人もいた。
- 会社の近くに住んでいたアルバニア人男性を採用し、技術を積極的に学びながら活躍している。
“日本に永住している外国人”の採用を初めて知る
なぜ外国人採用に取り組んだのですか?
弊社は昭和45年創業の機械加工業を行う会社です。
家族経営の小さな会社ですが、一人一人の機械オペレーターが高い技術力を持っています。
しかし近年では、大手の求人サイトやハローワークで求人を出したり、地元の高校などに出向き採用活動を行っても、まず応募がこない。来たとしても何年かで辞められるという状態でした。
そんなときに取引している信金さんから外国人求人掲載サービスの「ヨロワーク」を紹介されました。
ヨロワーク利用の決め手はなんですか?
これまでも技能実習生を斡旋するような営業電話はよくかかってきていましたが、4、5年で技術を身に付けた頃に辞めるため、弊社では無理だと思っていました。
しかし、信金さんから「ヨロワークは永住権のある外国人も採用できますよ」と言われて「えっそんなんあるん?」と初めて知り、「それやったらいいね」となり外国人採用に目を向け始めました。
どういう外国人を採用したかったのですか?
機械オペレーター職で募集をしていました。弊社は測定器の使い方や工具の種類など、一から技術を教えるので、資格の有無は問いません。
外国人に限らず、やる気さえあれば大丈夫だと考えていました。そのため、とりあえず英語が話せれば何とかなるかなと思っていました。
外国人を採用することに不安はなかったですか?
外国人に限った話ではないですが、定着していただけるかなという不安は常にあります。そこは日本人と同じ感覚でしたね。
採用した方は、半年以上働き続けていますので、一安心しています。
信じられないぐらいの応募が!意欲の高い外国人の採用に成功
どのように採用活動を進めましたか?
日本人向けの媒体だと応募が来なかったのですが、ヨロワークは初日から応募が入り「こんなに来るのか」と信じられないぐらい(応募が)来ました。
面接は数件して、日本語能力の高い人もいましたし、採用したいと思いましたが遠方で辞退した人もいました。
採用の決め手は何でしたか?
日本人と結婚して、もともと会社の近くに住んでいたアルバニア人の男性を採用しました。
実際に職場に見学にも来ていただいて、「やってみたい!技術を覚えたい!」という意欲が強く、とても勉強熱心な印象でした。
日本語レベルは高くないですが、英語でコミュニケーションがある程度は取れるので、その辺は心配なかったですね。
前職はコンピューター関係のカスタマーサービスをしていたみたいで「現場仕事は大丈夫かな」との心配もありましたが、面接で「体を動かしたい」と言ってくれたので、採用することにしました。
入社して半年で信頼できる機械オペレーターに
採用された方の現在の仕事について教えてください
入社直後と変わりなく、仕事に熱心に向き合ってくれています。
同じ機械を使っている先輩が付いてマンツーマンで仕事を教えるのですが、その従業員も英語を勉強してコミュニケーションをとっています。「どんどん技術を吸収したい」と機械の操作も本当に早く覚えてくれています。
そのため、そんなに早く機械を任せることは稀なのですが、働き始めて2、3カ月のときに機械を一つ与えました。今では、もう使いこなしています。
どのような点を意識して育成をされたのですか?
やはり機械操作は危険を伴うため、最初から1人で「はい、どうぞ」というわけにいかないので、担当する機械を与えてからも2ヶ月ぐらいはみっちりそばに付いて教えていました。
ある程度すると、機械のプログラムについて「自分で組んで、自分でやっていきたい」という風になったので、付きっ切りで指示をすることはやめました。本人の考えを聞きつつも、間違ってることがあれば「ここはこうした方がいいよ」とアドバイスをして今は進めています。
日本人との仕事に対する価値観の違いはありますか?
本当に細かいことまで注意してくれていますので、「もうそこまで気をつけなくてもいいですよ」と逆に言うぐらい、神経質にやってくれています。
納期的なところも「ちょっと間に合わないからオーバーワークしてもいいですか?」と自分から言ってくれるときもありますし、責任感もありますね。

宗教に配慮してお祈りを自由に
信仰されているイスラム教徒についてはどのような配慮をしていますか?
入社前に「時間になったらお祈りをさせてほしい」と要望があり、それであればと部屋を用意する提案をしました。
すると、彼から「お祈りの時間はタイムカードを押して休憩時間にします」と申し出がありましたが「そういうことはしなくていいから、気にせずに」と業務時間内でしてもらっています。15分程度の休憩は日本人でもしていますし、お祈り以外では一生懸命働いてくれています。
他には、支給のお弁当で豚を使用しているときは食べられないので、従業員同士で食材を交換してもらったりしています。
日本人従業員の間で孤立するようなことはありますか?
言葉の壁がまだあるため、休憩時間の雑談に入れない時があり、気にかけるようにはしています。
作業服を支給しているのですが、それもちゃんと着てくれて「チームになったみたいでうれしいです」と言っていました。宗教のこともそうですが、外国人だからと配慮がたくさん必要で負担になるという感じはないです。
ヨロワークでの外国人採用は期待以上
ヨロワークでの外国人採用について評価をお願いします
いい人が来てくれて本当によかったです。
最初は正直、そこまで期待していなかったです。ある程度「補佐的な仕事ができる人が来てくれたらまあいいかな」という感じでした。
もう一人ベトナム人の方も入社予定なので、外国人のリーダーとなって引っ張っていってくれたらありがたいと思っています。
店舗情報
企業名:株式会社山根鉄工所
地域:兵庫県
業界:製造業
業種:機械加工
まとめ
これまで日本人求人に苦労していた(株)山根鉄工所でしたが、初めての外国人採用で、予想以上の応募者の中から熱意ある人材とめぐり合えました。
技術習得も早いことから、任せる仕事を徐々に増やし、今や想像以上の戦力となっています。文化や価値観の違いに柔軟に対応しつつ、職場環境を整えることで、懸念された定着についても問題なく現在に至っています。
今後は外国人リーダーとしての育成も視野に入れ、さらなる外国人従業員との協業につなげていくようです。
ヨロワークは、製造業や建設業をはじめ、多様な業界で外国人材の採用支援実績が豊富です。国内最大級の在留外国人30万人が登録しており、貴社に最適な人材との出会いをサポートします。外国人採用をお考えなら、ぜひヨロワークをご活用ください。
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