外国人採用に挑んだ建設会社の事例|「日本人がほしい」はもう無理 

有効求人倍率が、近年5倍以上と高水準で推移し、人手不足が深刻な建設業。大阪府高槻市にあるダムやトンネル工事などを請け負う吉岡建設株式会社は、日本人の若手採用に苦戦が続き、技術の伝承も危ぶまれていました。

そこで、外国人採用へと舵を切り、ヨロワークを通じて、現場作業員の正社員として39歳のインドネシア人男性を採用。 入社の経緯と現在の職場での様子について、管理部長の松宮様と入社したインドネシア人男性に話を伺いました。

きっかけ

  • 建設業界では人手不足が深刻化し、特に中小企業は新卒採用が難しい状況。
  • 技術継承のため若手の確保が必要だったが、日本人の採用が困難な事もあり外国人採用を検討。

導入

  • ヨロワークのコンサルサービスを利用し、アドバイスを受けながら条件を設定。
  • 効果的に候補者へアプローチでき、多数の応募の中から数名と面接を実施。勤務地や適性を考慮できた。

結果

  • 応募者20名の内インドネシア人1名を採用し職場の雰囲気が向上。
  • 今後はリーダーとして育成し、外国人採用をさらに進めることを検討している。

中小の建設会社に襲い掛かる深刻な人手不足

【吉岡建設株式会社 管理部長松宮様】

なぜ外国人採用に取り組んだのですか?

少子化の影響もあり、日本人の採用が難しくなっています。
新卒採用を行っても、大手企業にほとんど採用されてしまうため、中小企業同士で残った若手を奪い合うような状況です。

高齢の従業員のみでは、建設業にとって最も重要な技術を伝承することができません。そんな中、取引のある金融機関から外国人を採用できる「ヨロワーク」を紹介され、利用を開始しました。

どのような外国籍の方を採用されたかったのでしょうか?

これから先も、日本人の採用が難しい状態が続くことは間違いありません。

そのため、時間をかけてでも外国人を育成し、将来的に外国人の従業員が増えた際に、組織を引っ張っていけるリーダーを増やした方が良いのではないかと考え、リーダーの素質がある外国人を探しました。

担当者のサポートで本当にほしい人材と出会えた

ヨロワークのサービスはいかがでしたか?

私たちについてくれた専属の担当者がとても親切でした。

こちらから採用したい人にアプローチをする「スカウト機能」を利用した際には、「建設業の場合は○○を条件にすると良いですよ」など、スカウトの条件を絞る方法についてアドバイスをいただけたため、マッチングの可能性が高い候補者に無駄なくアプローチできました。

以前、技能実習生を採用した際に、想像していたよりも日本語能力が低かったということがありましたが、ヨロワークでは自己紹介動画(「しゃべる履歴書」)で事前に日本語能力を確認できた点も良かったです。

どのように面接を行いましたか?

スカウトも活用し、約20人から応募がありました。その中で勤務地などの条件を考慮し、3人と面接を行いました。

採用を決めたインドネシア人男性(以下B.M.さん)ともオンラインで面接を進め、内定前には日本人の奥さまと一緒に来社していただき、条件などをお伝えしました。

採用の決め手は何ですか?

ご家族で大阪に住んでおり、通勤可能な範囲だったことは大きなポイントでした。
しかし、最終的な決め手となったのは、面接を通じて感じたB.M.さんの人柄の良さです。

入社して1カ月が経ちましたが、B.M.さんは日本語を勉強しようとしてくれて、日本人従業員は英語を勉強し始めました。

お互いに歩み寄っていて、職場の雰囲気が明るくなりました。すごく努力家で向上心もあると感じています。

※左からインドネシア出身 B.M.さんと日本人の教育担当者

初めての採用で広がった“外国人採用”という選択肢

今回採用された外国人に対して期待していることは何ですか?

以前、技能実習生を雇用したときは、日本語能力がネックでした。

B.M.さんも、日本語能力はそこまで高くはないですが、オーストラリアにずっと住んでいたので、英語はペラペラ。B.M.さんをリーダーとして育てれば、今後、日本語があまり話せない外国人が入社してきても、英語で業務を教えてもらえます。

(企業側の)日本人がほしい気持ちはわかりますが、これから先ますます日本人だけで必要な人材を確保していくことは無理だと感じています。B.M.さんが自立した後には、もっと外国人を採用したいと思っています。

内定者インタビュー

【インドネシア出身 B.M.さん(39歳・男性)】

日本に来られた経緯について教えてください

オーストラリアに住んでいましたが、シドニーで日本人の奥さんと出会い2024年10月に日本に引っ越してきました。子どもが欲しいと思ったときに、子どもをオーストラリアで育てるよりも日本で育てた方がいいと思い日本を選びました。みんな優しくて温かくて、日本に住むことをとても気に入っています!

求職活動について教えてください

私はエンジニアの仕事をしていたので、エンジニアやソフトウェア関係の仕事に30件ほど応募し、面接依頼を7件受けていました。

来日して2カ月ほどで出会った理想の会社

入社していかがですか?

吉岡建設は、私にとって日本での初めての仕事です。最初の面接の後、すぐに返答をいただけたことに驚き、大変嬉しく思いました。

また、会社の皆さんが非常に温かく迎えてくださり、「これ以上望むことはない」と言えるほど良い労働環境が整っていると感じています。

日本では「みんなが残業し、がむしゃらに働く」といった記事を読んだことがありますが、この会社はそのような環境ではありませんでした。

これからの10~20年で、私は一生懸命働き、日本語を習得することに専念します。
私はこの会社で初めての外国人社員となりますが、周囲のサポートのおかげで希望するポジションに就くことができました。

今後はさまざまな国から集まった人々を率いるチームリーダーとして働く予定で、それはまたとない挑戦となります。そのため、私の目標は可能な限り高いポジションに到達することです。

※現場のモニタリング研修を受けるインドネシア出身 B.M.さん

店舗情報

企業名:吉岡建設株式会社
地域:大阪府
業界:建設業
業種:土木工事業および建築工事業

まとめ

吉岡建設株式会社は、慢性的な人手不足と技術継承の課題を抱える中、外国人採用に踏み切りました。

本事例のように、建設をはじめ人材確保が難しい業界では、特に中小企業にとって外国人採用が今後ますます重要な選択肢となるでしょう。

ヨロワークは、建設業や製造業をはじめ、多様な業界で外国人材の採用支援実績が豊富です。国内最大級の在留外国人30万人が登録しており、最適な人材との出会いをサポートいたします。