日本政府観光局(JNTO)が2025年6月18日に発表した最新の推計値によると、2025年5月の訪日外客数は3,693,300人に達し、5月としての過去最高記録を大幅に更新しました。
前年の同月と比較しても21.5%増という高い成長率となっています。
この数字は、日本のインバウンド市場が新たな成長フェーズに入ったことを示しています。
最新動向を読み解き、企業が取るべき未来の人材戦略を解説します。
【2025年5月】訪日外客数、過去最高を大幅に更新
2025年5月の訪日外客数は369万3,300人となり、これまで最高だった2024年5月の304万人余りを65万人以上も上回る結果となりました。
JNTOによれば、5月は桜シーズンと夏休みシーズンの間にあたり需要が落ち着く時期ですが、一部の市場での祝日やスクールホリデー、また航空便の増便等が後押しとなり、特に中国、フィリピン、米国からの訪日客が増加したことが、今回の記録更新の主な要因とされています。
インドでは単月として過去最高を記録したほか、中国や米国を含む21の国・地域で5月としての過去最高を記録するなど、市場は活況を呈しています。
注目すべきは国籍別の「伸び率」
全体の訪日客数に占める割合も重要ですが、ビジネスの「伸びしろ」を考える上では、前年からの「伸び率」に注目することが不可欠です。
2024年5月と比較して、特に高い成長を見せているのが以下の国・地域です。
中国: +44.8%
インド: +47.9%
スペイン: +55.0%
中東地域: +65.6%
ロシア: +139.9%
これらの国・地域からの観光客は、文化、言語、食習慣、消費行動などがそれぞれ異なります。
この急成長する新たな顧客層のニーズを的確に捉えることが、今後のインバウンドビジネスの成否を分けると言っても過言ではありません。
政府が目指す「持続可能な観光」と「消費額拡大」
訪日客数の増加は、日本経済にとって朗報ですが、政府は単なる数の増加だけを目標としているわけではありません。
2023年3月に策定された「第4次観光立国推進基本計画」では、今後のインバウンド戦略の柱として以下の3つが示されています。
・持続可能な観光
・消費額拡大
・地方誘客促進
オーバーツーリズムなどの問題を避けつつ、一人当たりの旅行消費額を高め、その恩恵を東京や大阪だけでなく、日本全国の地方へ広げていくことが国の大きな目標です。
この「質の向上」を実現するためには、より付加価値の高いサービスを提供できる体制づくりが企業に求められます。
多様化する観光客への対応が急務
前述の通り、訪日客の国籍はますます多様化しています。
伸び率の高い中国からの観光客には、スムーズな中国語対応が喜ばれるでしょう。
インドや中東地域からの旅行者に対しては、ハラルやベジタリアンといった食文化への配慮が不可欠です。
スペインなど欧州からの観光客は、都市観光だけでなく、地方での長期滞在や文化体験に関心が高いかもしれません。
こうした多様なニーズにきめ細かく応えることが、政府の目指す「消費額拡大」に直結します。
そのためには、多様な文化背景を理解し、現地の言語でコミュニケーションが取れる人材の存在が企業の大きな強みとなります。
まとめ
2025年5月の訪日外客数データは、インバウンド市場が「量」の回復から「質」の成長へとシフトしていることを明確に示しています。
この大きな潮流に合わせていくには、多様化する顧客に合わせた質の高いサービス提供が不可欠です。
特に、急成長している国・地域出身の外国人材は、言語や文化の壁を越えた「おもてなし」を実現するためのキーパーソンとなり得ます。
彼らは単なる労働力ではなく、新たな市場を開拓し、企業の競争力を高めるための「戦略的パートナー」です。
未来の需要を先取りし、今から外国人材の活用を視野に入れた採用計画も検討してみてはいかがでしょうか。
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