【速報】特定技能に新分野追加へ「倉庫」「リネン」等検討

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ヨロワーク編集部

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多くの日本企業が直面する人手不足問題。その解決策の一つとして「特定技能」制度の活用が広がっています。2024年には4分野が追加施行されましたが、2025年5月現在、「倉庫管理」「リネン」「廃棄物処理」といった分野も新たに追加検討されていると報じられました。本記事では、特定技能の分野追加に関するこの最新の検討状況と、現行制度のポイントを分かりやすく解説します。

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【2025年最新動向】特定技能に新たな分野追加を検討中!「倉庫管理」「リネン」などが候補に

2025年に入り、特定技能制度の対象分野にさらなる拡大の動きがありました。
人手不足が特に深刻な分野への対応として、新たな分野の追加が政府内で検討されている模様です。

新たな3分野の追加を検討(2025年5月時点)

政府は特定技能の対象分野として、新たに「物流倉庫の管理」「リネンサプライ(リネン製品供給に関する業務)」「廃棄物処理」などを追加する方向で検討に入りました。

これらの分野は、生活インフラを支える上で不可欠でありながら、国内での人材確保が困難になっているという背景があります。

参考:外国人材の特定技能3分野追加へ 倉庫管理・廃棄物処理・リネン供給 – 日本経済新聞

追加検討の背景:特定分野での深刻な人手不足

今回の追加検討の背景には、これらの特定分野における労働力不足の深刻化があります。

少子高齢化による生産年齢人口の減少に加え、一部の業種では労働環境のイメージなどから若年層の就労希望者が集まりにくい状況も指摘されています。

社会機能を維持するため、外国人材の受け入れによる労働力確保が喫緊の課題となっている分野が、追加候補としてリストアップされたと考えられます。

2025年12月の閣議決定を目指す

これらの新たな分野追加について、政府は近く有識者会議で具体的な方針を示し、同年12月の閣議決定を目指すとしています。

その後、関連省令の改正などを経て、2027年にも企業が採用を始められるように在留資格の制度を変更するとしています。

今後の政府内の議論や有識者会議、経済状況などによって、対象分野やスケジュールが変更される可能性も十分にあります。

更新情報があり次第お知らせいたします。

2024年4月から特定技能の対象となった4分野を再確認

ここで、比較的最近の動きとして、2024年に特定技能の対象分野として追加され、既に施行されている4分野について再確認しておきましょう。

2024年に追加されたのは以下の4分野です。

  • 自動車運送業
    トラック、バス、タクシー等の運転業務など
  • 鉄道
    車両製造、保守・整備、運転業務、駅務など
  • 林業
    育林、素材生産、林業種苗育成など
  • 木材産業
    製材、木材加工など

これらの分野も、国内の労働力不足が深刻な状況にあり、外国人材の受け入れによる産業基盤の維持が期待されています。

各分野の概要と期待された役割

追加された各分野は、日本の経済活動や国民生活を支える上で重要な役割を担っています。

例えば、「自動車運送業」は物流の根幹であり、「鉄道」は公共交通の維持に不可欠です。
「林業」「木材産業」は国土保全や地域経済の活性化に貢献します。

これらの分野への特定技能外国人の受け入れは、人手不足の緩和だけでなく、技能の伝承や地域社会の維持にも繋がることが期待されています。

特定技能制度 これまでの主な対象分野の変遷

特定技能制度は、社会のニーズや経済状況の変化に対応するため、これまでも対象分野の見直しが行われてきました。

  • 2019年:特定技能制度スタート(当初の14分野)
    2019年4月に制度が開始された当初は、介護、建設、農業、外食業など14分野が対象でした。
  • 2022年:製造3分野の統合など制度の見直し
    運用開始後、「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」の3分野が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」として一つの分野に集約されるなど、より実態に即した形での見直しが行われました。
  • 2024年:人手不足対応で4分野が追加
    前述の通り、2024年4月には「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野が追加されました。
  • 2025年:さらなる分野拡大を検討中
    2025年、冒頭で触れたように、「倉庫管理」「リネン製品」「廃棄物処理」などが新たな追加候補として検討されています。

【2025年5月現在】特定技能の全対象分野一覧

2024年の4分野追加を経て、2025年5月現在の特定技能の対象分野は以下の通りです。

既存の12分野(分野統合後)
1.介護業
2.ビルクリーニング業
3.工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)
4.建設業
5.造船・舶用工業
6.自動車整備業
7.航空業
8.宿泊業
9.農業
10.漁業
11.飲食料品製造業
12.外食業

2024年に追加された4分野
13.自動車運送業
14.鉄道
15.林業
16.木材産業

合計16分野が対象(2025年5月現在)

これにより、現在、特定技能外国人の受け入れが可能な分野は合計で16分野となっています。

企業が注目すべきポイントと今後の準備

特定技能の対象分野追加は、人材確保に悩む企業にとって大きなチャンスとなり得ます。しかし、そのためには正確な情報を把握し、適切な準備を進めることが不可欠です。

今からできる情報収集と体制検討

「倉庫管理」「リネン製品」「廃棄物処理」などの分野追加は、2027年になる見通しです。

対象となる企業は、正式に追加対象となった場合、速やかに対応できるよう、今のうちから受け入れに関する基本的な知識(特定技能制度の概要、企業の責務、支援内容など)を習得しておくことが望ましいでしょう。

また、受け入れに必要な社内体制(担当者の配置、支援計画の準備など)についても、大まかな検討を始めておくとスムーズです。

まとめ

特定技能制度は、日本の労働市場や経済状況の変化に対応するため、今後も対象分野の追加や制度内容の見直しが行われる可能性があります。

常に最新の公式情報にアンテナを張り、正確な情報を基に採用戦略を検討していきましょう。

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