コラム

京都府に住む外国人労働者の特徴

この記事では、京都府に住む外国人労働者の特徴とその動向に焦点を当てて詳しく紹介していきます。外国人が京都を選ぶ理由やその背景にある要因、さらには京都府における外国人労働者の国籍や産業別の分布などについて解説しています。外国人労働者の増加による社会的影響や地域経済への影響にも触れながら、京都での外国人労働者の重要性や今後の展望について考察していきます。

外国人に京都が人気な理由

外国人が京都に住む理由は多岐に渡ります。まず、京都は日本の歴史と文化が息づく場所であり、古都として知られています。歴史的建造物や伝統的な祭り、文化行事などがあり、そうした豊かな文化に触れたい外国人にとって魅力的です。

また、京都は美しい自然にも恵まれています。桜や紅葉の名所が多く、四季折々の景色を楽しむことができます。自然を満喫しながらの生活が魅力の一つです。さらに、京都の食文化も外国人に人気です。伝統的な京都料理や季節の食材を味わえるレストランが豊富であり、日本の食文化を深く体験できます。

京都は治安が良く、公共交通機関も充実しています。そのため、外国人にとって安心して生活できる環境が整っています。また、京都には多くの大学や研究機関があり、学術・研究の分野での活動の場が豊富です。特に日本の文化や芸術、歴史、哲学などに興味を持つ外国人にとって、京都は学びの場として最適です。

これらの要因が重なり、外国人にとって京都が魅力的な居住地となっています。

直近の京都府の外国人労働者の傾向

京都労働局の報告によれば、令和4年10月末現在の外国人雇用状況に関する届出により、京都府における外国人労働者の数は23,218人で、前年同期比で1,862人、8.7%増加しています。外国人労働者の雇用事業所数も増加し、4,784か所となっています。

外国人労働者の国籍別では、ベトナムが6,556人で最も多く、全体の28.2%を占め、次いで中国(香港等を含む)が5,548人(23.9%)、フィリピンが1,629人(7.0%)となっています。

産業別にみると、「卸売業、小売業」が21.2%と最も多く、次いで「製造業」が19.0%、「宿泊業、飲食サービス業」が17.5%となっています。また、外国人労働者を雇用している事業所の規模別では、「30人未満規模」が2,790か所で全体の58.3%を占め、外国人労働者数も同企業規模で7,649人と全体の32.9%を占めています。

在留資格別では、「専門的・技術的分野」が7,635人で最も多く、全体の32.9%を占め、次いで「身分に基づく在留資格」が5,396人(23.2%)、そして「技能実習」が4,749人(20.5%)となっています。特に、「専門的・技術的分野」では20.7%の増加が見られますが、「技能実習」は2.3%減少しています。

これらのデータから、京都府において外国人労働者の数が増加傾向にあり、特にベトナムや中国などからの外国人が多いこと、また、卸売業や製造業などの産業で外国人労働者が多く活躍していることが示されています。

(参考)京都労働局における「外国人雇用状況」の届出状況(令和4年 10 月末現在)

【国籍別】京都府の外国人労働者の特徴

ベトナムは、外国人労働者数全体の28.2%を占め、最も多く、前年同期比で550人(9.2%)増加しています。中国(香港を含む)が次いで23.9%を占め、フィリピンは7.0%を占めます。韓国、ネパール、インドネシア、ミャンマーがそれぞれ5.0%、3.9%、4.2%、1.8%を占めます。ブラジルとペルーはそれぞれ1.3%、0.4%、G7諸国などが合わせて8.8%、その他の国籍が15.4%を占めます。

(出典)京都労働局における「外国人雇用状況」の届出状況(令和4年 10 月末現在)

【在留資格別】京都府の外国人労働者の特徴

専門的・技術的分野の在留資格が最も多く、外国人労働者数全体の32.9%を占めます。次いで、身分に基づく在留資格が23.2%、技能実習が20.5%、資格外活動が19.4%を占めます。資格外活動のうち、留学が16.5%です。

(出典)京都労働局における「外国人雇用状況」の届出状況(令和4年 10 月末現在)

【国籍別・在留資格別】京都府の外国人労働者の特徴

中国からの外国人労働者のうち、専門的・技術的分野の在留資格が33.5%を占め、身分に基づく在留資格と資格外活動がそれぞれ29.6%を占めます。資格外活動のうち留学が27.6%で、技能実習が5.9%を占めます。ベトナムからの労働者の場合、技能実習が47.1%を占め、専門的・技術的分野の在留資格が32.9%となります。また、資格外活動が10.8%で、留学が6.2%です。ブラジル、ペルー、およびG7諸国からの労働者の場合、身分に基づく在留資格が90.8%、92.6%、50.2%を占めます。

【地域別】京都府の外国人労働者の特徴

地域別にみると、京都市内地域は、外国人雇用事業所の78.6%が集中しています。京都市は観光地や大学が多く、商業施設も集中しており、外国人労働者の需要が高い地域です。特に、観光業やサービス業、小売業などの分野での需要が大きいと考えられます。

京都府南部地域は、外国人雇用事業所の14.6%を占めます。南部地域には、観光地や工業地域があり、外国人労働者が需要されています。また、南部地域は交通の便がよく、生活環境も整っているため、外国人労働者の定住地としても選ばれています。

京都府北部地域は、外国人雇用事業所の6.8%を占めます。北部地域は京都市や南部地域に比べて産業が少ない地域ですが、農業や自然景観が豊かであり、観光地としての魅力もあります。外国人労働者の需要は少ないものの、一定数が活躍しています。

(出典)京都労働局における「外国人雇用状況」の届出状況(令和4年 10 月末現在)

【産業別】京都府の外国人労働者の特徴

産業別の特性を見ると、卸売業・小売業は、外国人雇用事業所の21.2%を占めています。これは、観光地や商業地域での需要が大きいことを反映しています。外国人労働者は、観光客向けのサービスや小売業で活躍しています。

(出典)京都労働局における「外国人雇用状況」の届出状況(令和4年 10 月末現在)

製造業は、外国人雇用事業所の19.0%を占めています。京都府内には多くの製造業があり、その中には伝統工芸品や電子部品などの製造を行っている企業もあります。外国人労働者は、技術や専門知識を活かして製造プロセスに従事しています。

宿泊業・飲食サービス業は、外国人雇用事業所の17.5%を占めています。京都は観光地として有名であり、多くの外国人観光客が訪れます。そのため、ホテルやレストランなどの宿泊業や飲食サービス業で外国人労働者が活躍しています。

建設業やサービス業(他に分類されないもの)も外国人雇用事業所の一部を占めています。建設業では、建設ブームやインフラ整備に伴い、外国人労働者の需要があります。サービス業では、清掃業や警備業などのサービスが含まれます。

【事業所規模別】京都府の外国人労働者の特徴

事業所規模別の割合をみると、最も多いのは「30人未満規模」の事業所で、事業所全体の58.3%を占めています。このことから、多くの外国人労働者が小規模な事業所で雇用されていることが分かります。

また、すべての事業所規模で増加傾向にあります。特に、「30人未満」規模の事業所では前年同期比で8.0%増と、最も大きな増加率となっています。これは、中小企業や個人事業主が外国人労働者を雇用する傾向が強まっていることを示しています。

これらの傾向から、京都府における外国人労働者の需要が、規模の大小を問わず、多様な事業所で高まっていることがうかがえます。

(出典)京都労働局における「外国人雇用状況」の届出状況(令和4年 10 月末現在)

まとめ

京都府の外国人の数は増加傾向にあり、特にベトナムや中国からの労働者が多くを占めます。産業別では、卸売業・小売業、製造業、宿泊業・飲食サービス業が主な分野です。

この傾向は、観光業や製造業が京都で重要な産業であることを反映しています。事業所規模別では、小規模事業所での雇用が多い傾向が見られ、中小企業や個人事業主が外国人労働者を積極的に雇用していることがうかがえます。

在留資格別では、専門的・技術的分野の在留資格を持つ労働者が多く、京都市内が外国人雇用の中心地です。これは、京都の大学や研究機関が多く、学術・研究の分野での需要が高いことを示しています。

地域別では、京都市内が外国人雇用の中心地であり、観光業や商業施設の集積が外国人労働者の需要を引き起こしています。北部地域は観光地や自然景観が豊かであり、外国人労働者の需要は少ないものの、一定数が活躍しています。

総じて、京都府は外国人労働者にとって魅力的な居住地であり、歴史・文化、自然環境、安全な生活環境、学術・研究の機会など、多彩な要因が外国人労働者の増加に寄与しています。

加地 志帆 /外国人実習雇用士

この記事を書いた人

加地 志帆 /外国人実習雇用士

2019年にYOLO JAPANに入社し、外国人ユーザーの満足度向上を目指し、特にSNSを通じたプロモーション活動を担当。その経験を通じ現在は、企業が外国人採用をスムーズに進められるようヨロワークのウェブサイトにて情報発信。具体的には、外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進するコンテンツの提供。 2023年11月には外国人実習雇用士の資格を取得。企業と外国人が共存できる社会を目指すため外国人採用の知識を深めている。

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