コラム

外国人の雇用手続きや必要書類を入社前・入社後に分けてわかりやすく簡単に解説

外国人雇用は、グローバル化が進む現代の労働市場においてますます重要性を増しています。しかしながら、外国人を採用する際には様々な法的・手続き上の注意点が存在し、これらを適切に把握することが必要です。本記事では、外国人の雇用に関する手続きや必要書類を入社前と入社後に分けて詳しく解説します。さらに、面接時の準備や雇用に際しての注意点についても紹介していきます。

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外国人との面接時に必要な準備

外国人との面接時に必要な準備は多岐にわたりますが、公正な採用プロセスを確保するために重要です。まずは、外国人との面接時に必要な準備を紹介していきます。

在留資格の確認

外国人を採用する際には、就労可能な在留資格の有無を確認することが重要です。適切な在留資格を持っているかどうかを確認し、雇用に法的な問題が生じないようにします。

国籍や宗教に基づく差別を避ける

採用プロセスや面接中には、国籍や宗教に基づく差別的な質問や判断を避けることが重要です。労働法では、国籍や宗教による差別は禁止されていますので、採用の主な基準は候補者の適性や能力に置くべきです。

言語能力の確認

外国人候補者の言語能力を適切に評価することが重要です。コミュニケーションや業務遂行に必要な言語能力が候補者に備わっているかを確認しましょう。必要に応じて、試験結果や面接中の実際のコミュニケーション能力を確認します。

実績やスキルの確認

外国人候補者が自己紹介や経歴を語る際には、実績やスキルについて過度に誇張されることがあるかもしれません。実績やスキルの信憑性を確認するために、具体的な証拠や数字を求めることが重要です。

仕事内容の相互確認

面接では、仕事内容や期待される役割についての相互確認を行います。言語や文化の違いから、候補者が正しく理解しているかどうかを確認しましょう。採用後のトラブルを避けるためにも、仕事の内容や待遇面での認識のズレがないようにします。

雇用手続き前に必要な準備

雇用手続きを行う前に、外国人候補者が就労可能な在留資格を持っているかを確認することが重要です。ここでは、雇用手続き前に必要な準備を紹介していきます。

在留資格の確認

候補者が持っている在留資格が就労を許可しているものかどうかを確認します。在留資格が就労を許可している場合でも、その活動内容が就労に該当していることを確認する必要があります。

在留カードのチェック

在留カードの表面と裏面を確認します。

1. 表面のチェックポイント
・「就労制限の有無」欄を確認し、就労が制限されていないかを確認します。
・「就労不可」や「指定書により指定された就労活動のみ可」などの記載がある場合は、雇用する前に在留資格の変更が必要です。

2. 裏面のチェックポイント
・「資格外活動許可欄」を確認し、資格外活動許可を得ているかどうかを確認します。資格外活動許可がある場合、就労が可能な場合がありますが、就労時間や就労場所に制限があることに留意します。

3. 偽造の確認
在留カードが偽造されていないかを確認します。偽造された在留カードを使用して雇用すると、企業が法的な責任を負う可能性があります。

4. 在留カード等読取アプリの利用
出入国在留管理庁が提供している「在留カード等読取アプリケーション」を使用して、在留カードの情報が偽造・改ざんされていないかを確認します。アプリのダウンロードや使用方法は、出入国在留管理庁のウェブサイトで確認できます。

5. 在留カード等執行情報照会の利用
出入国在留管理庁のWEBサイト「在留カード等執行情報照会」を使用して、在留カードの情報が有効かどうかを確認します。番号が失効していないかを確認します。

これらの手順を踏んで、外国人候補者の雇用手続きを行う前に、適切な在留資格を持っているかどうかを確認しましょう。

入社前に必要な手続きや必要書類

ここからは、入社前に必要な手続きや必要書類について、詳しく紹介していきます。

在留カード

外国人労働者が日本で就労する際には、在留カードが必要です。在留カードは、外国人が日本で滞在する際に身分を証明する重要な書類です。入社前には、在留カードの有効期限や個人情報などを確認し、期限内であることや正確な情報が記載されていることを確認します。

パスポート

パスポートは、外国人が日本に入国する際に必要な書類です。入社前には、パスポートの有効期限や個人情報を確認します。また、在留カードとパスポートの個人情報が一致しているかどうかも確認します。

雇用契約書または労働条件通知書

内定後には労働契約を締結します。この際には雇用契約書または労働条件通知書を用意します。これらの書類は、外国人労働者の在留ビザ(在留資格)の申請時に必要となります。雇用契約書は労働者と雇用者の双方の権利と義務を明確にし、トラブルを回避するために重要です。これらの書類には、雇用形態や職務内容、労働条件、給与、勤務地、勤務時間、休暇制度などが記載されています。入社前に内容をよく確認し、必要に応じて雇用条件の交渉を行います。

就労資格証明書

外国人が日本で就労する際には、就労資格証明書が必要です。これは、外国人が日本で働くための法的な許可書です。入社前には、就労資格証明書の取得状況や制限事項を確認します。

やさしい日本語の就業規則

就業規則は、企業の労働条件や規則を定めた文書です。外国人労働者が就労する際には、日本語が得意でない場合もあるため、やさしい日本語で作成された就業規則があると理解しやすくなります。入社前には、就業規則の内容や適用範囲を理解し、必要に応じて説明を受けることが重要です。

これらの書類は、入社前に雇用者と労働者の両方が正確に準備し、必要な手続きを遵守することで、スムーズな就労開始が可能になります。

入社後に必要な手続きや必要書類

ここからは、入社後に必要な手続きや必要書類を雇用形態に分けて紹介していきます。

共通の手続きと書類

雇用保険加入の手続き
外国人労働者が雇用保険に加入するための手続きです。雇用契約が成立した日から被保険者となる月の翌月10日までに提出します。この手続きにより、外国人労働者の雇用保険加入が正しく行われます。

健康保険・厚生年金加入の手続き
外国人労働者が健康保険と厚生年金に加入するための手続きです。雇用契約が成立した日から5日以内に提出します。これにより、外国人労働者が日本の社会保障制度の下で適切に保護されます。

中長期在留者の受け入れに関する届出
外国人労働者が中長期在留者である場合、外国人雇用状況の届出を行います。届出が必要な場合は、在留資格を取得した日から14日以内に提出します。この手続きにより、外国人労働者の在留資格の更新や法的手続きが適切に行われます。

正社員(契約社員)の入社後に必要な手続きと書類

雇用保険被保険者資格取得届または外国人雇用状況届出書
雇用保険に加入する外国人労働者のための届出書類です。この手続きは、日本で働く外国人に対して適用されます。正社員や契約社員として採用された場合、入社日から翌月10日までに提出する必要があります。これにより、外国人労働者が日本の雇用保険制度の下で保護されます。

所属機関等に関する届出
在留資格取得時に登録した所属機関(会社や学校など)が変更になった場合に提出します。具体的には、外国人社員が入社日から14日以内に行う必要があります。この手続きにより、外国人の所属機関が最新の情報となります。

在留資格更新許可申請に係る書類
在留期限が切れる前に、在留資格の更新手続きを行います。外国人社員は、在留期限日の3か月前から更新手続きを始めることができます。更新手続きは外国人本人が行いますが、企業側は必要な資料を準備し、フォローを行います。更新手続きが完了することで、外国人労働者の在留資格が更新され、継続して日本で働くことが可能となります。

雇用保険被保険者資格喪失届または外国人雇用状況の届出(離職時)
雇用保険に加入する外国人労働者が離職した場合に提出する書類です。正社員や契約社員が離職した場合は、離職日の翌日から10日以内に提出します。これにより、外国人労働者の雇用保険の状況が適切に管理されます。

派遣社員の入社後に必要な手続きと書類

特に必要な手続きや書類はありません。派遣元企業が外国人派遣社員の雇用・在留資格に関する手続きを行います。

パート・アルバイトの入社後に必要な手続きと書類

雇用保険被保険者資格取得届または外国人雇用状況届出書
パート・アルバイトとして雇用する外国人労働者が雇用保険に加入する際に必要な届出書類です。この手続きにより、外国人労働者が雇用保険制度の下で保護されます。入社日から翌月10日までに提出する必要があります。これにより、外国人労働者の雇用保険加入が適切に行われます。

雇用保険被保険者資格喪失届または外国人雇用状況の届出(離職時)
パート・アルバイトの外国人労働者が離職した際に提出する書類です。離職日から翌月末までに提出します。この手続きにより、雇用保険からの離脱手続きが適切に行われます。

これらの手続きと書類を適切に準備し、提出することで、外国人労働者の雇用や在留資格の適切な管理が行われ、法令の遵守が確保されます。

外国人雇用をする際の注意点

最後は、外国人雇用をする際の注意点を紹介していきます。

在留カードやパスポートの預かりについて

在留カードやパスポートを企業で預かることは避けましょう。厚生労働省は、「外国人労働者の旅券等を補完しないようにすること」を通知しています。企業がこれらの書類を一時的に預かることは適切ではありません。必要な手続きがある場合は、原本のコピーを保管し、本人に同行するようにしましょう。

特別永住者に関する注意点

特別永住者は、永住者と同様に就労制限がありません。このため、特別永住者証明書の提示や外国人雇用状況の届出は不要です。ただし、通称名を役所で登録している場合が多いため、公的手続きを通称名で行うことも可能です。採用手続きにおいても、特別永住者は日本人と同じ扱いをします。

同一労働同一賃金と最低賃金の順守

外国人に対しても同一労働同一賃金制度と最低賃金法は適用されます。違法な待遇は是正され、不足分の支払いが求められる可能性があります。外国人の給与水準は日本人と同等であることを確認し、不平等な待遇を行わないよう注意しましょう。

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