外国人アルバイト採用の流れから手続き、必要書類、注意点を解説!

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加地 志帆 /外国人実習雇用士

外国人実習雇用士の資格を取得し、企業が外国人採用をスムーズに進められるように外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進する情報を発信しています。

人手不足が深刻なアルバイト現場では、ますます外国人労働者(外国人アルバイト)の重要性が増しています。しかし、まだまだ多くの企業は「外国人を採用したいけど方法がわからない」「日本語のコミュニケーションに不安がある」「外国人アルバイト採用って必要な手続きが多いのでは?」と悩んでいる企業も多いのではないでしょうか?

この記事では、日本企業が外国人アルバイトを採用すべき理由や採用プロセス、留学生の注意点などを解説しています。外国人アルバイトの採用は、人手不足の解消や多様性の促進、グローバル展望の獲得に役立つ重要な手段です。適切な在留資格と条件を確認しながら採用を検討しましょう。

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外国人アルバイトを採用すべき理由

日本の企業が外国人アルバイトを採用すべき理由は、主に「人手不足の解消」「多様性の促進」「グローバル視点の獲得」の3つがあります。まずは、その理由を詳しく見ていきましょう。

人手不足の解消

日本の少子高齢化が進行しているため、労働力人口が減少しています。これにより、特に一部の産業や地域では適切な労働力を確保することが難しくなっています。外国人アルバイトを採用することで、企業は労働力不足を解消し、生産性を維持または向上させることができます。特に季節的な需要や一時的なプロジェクトに対応する際に、外国人アルバイトの柔軟性が役立ちます。

多様性の促進

多様性は企業にとって非常に重要な要素です。異なる国籍や文化背景を持つ従業員を雇用することで、異なる視点やアプローチが組織内に持ち込まれ、新しいアイディアや創造性が生まれる可能性が高まります。また、多様性は企業の社会的責任を果たし、顧客や取引先からも評価されることがあります。

グローバル視点の獲得

グローバルな市場で競争するためには、国際的な視野が重要です。外国人アルバイトは、異なる国や地域での経験を持っており、異文化間のコミュニケーションや国際的なビジネスに関する知識を提供できます。これは、企業が国際展開を計画する際に非常に有益です。また、外国人アルバイトは、外国からの顧客や取引先とのコミュニケーションをスムーズに行うのに役立ちます。

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外国人アルバイト採用の流れ

外国人アルバイトを採用する際の流れに関しては、基本的には通常の日本人アルバイト採用の手順と同様です。

(1)求人募集
まず、アルバイトの募集を行い、求職者に仕事の空きポジションを知らせます。

(2)書類審査
アルバイトポジションに応募した候補者から提出された書類を審査し、応募者の情報を確認します。

(3)面接
書類審査を通過した応募者に対して、面接を実施し、候補者のスキルや適性を評価します。

(4)採用
面接を通過した候補者に対して、採用の通知を行います。この際、口頭または文書で応募者に通知を行います。

日本人アルバイト採用の手順と異なる点

基本的には通常の日本人アルバイト採用の手順と同様と前述しましたが、日本国内での在留資格の確認や日本語能力の評価など2つ異なる点があります。

(1)在留資格の確認
外国人アルバイトを採用する際、その候補者が日本でアルバイトをするための適切な在留資格を持っているかどうかを確認することがとても重要です。

日本でアルバイトをするためには、適切な在留資格(例: 留学ビザ、永住者ビザ、特定活動ビザなど)を持っている必要があります。採用前に、候補者のビザの種類と期限を確認し、アルバイトとして働くために適切な在留資格を持っていることを確かめましょう。

アルバイトとして採用できる在留資格については、後ほど詳しく紹介します。

(2)日本語能力の評価
外国人アルバイトの多くは、日本国内でのコミュニケーションと業務遂行において、日本語の理解とコミュニケーション能力が必要です。日本語能力の評価は、候補者が日本語をどれだけ理解し、使えるかを確認するために行われます。

アルバイトとして採用できる在留資格

外国人をアルバイトとして採用するためには、特定の在留資格が必要です。主要な在留資格として、「就労可能な在留資格」「就労が認められない在留資格」「就労に制限がない身分に基づく在留資格」「特定活動(ワーキング・ホリデー)」の4つがあります。特に、永住者、定住者、配偶者、留学生といった「就労に制限がない身分に基づく在留資格」を持つ外国人がアルバイトとして採用されることが一般的です。

身分に基づく在留資格(身分系ビザ)

永定配(永住者・定住者・配偶者)のビザを持つ外国人は、日本人と同様に就労制限なしで働くことができます。

・永住者
永住権とは、外国人が制限された在留期間を気にせずに滞在国に永住できる権利を指します。この権利は、「永住者」という在留資格に該当します。

永住者の資格には以下の特徴があります。

・在留期間に制限がありません。
・日本での活動に制限がありません。つまり、職種や業種に関する就労制限がありません。

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永住者とは、10年以上日本に滞在し、法務大臣の永住許可を得ている外国人。一般永住者・特別永住者どちらも就労制限はなく日本人同様に就労できます。はじめての外国人採用入門編として雇用しやすいです。

・定住者
「定住者」とは、外国人が日本に長期滞在するための在留資格で、日本に定住している外国人を指します。

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この記事では、宿泊業界(ホテル・旅館)の人手不足の現状や要因、外国人雇用の可能性や方法について詳しく紹介します。

・配偶者
「配偶者」は、法的な婚姻関係が成立しているパートナーが日本人または永住者である外国人の外国人パートナーがこの在留資格を持つことができる在留資格です。

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「就労が認められない在留資格」

通常、留学生は、アルバイトなどの就労を行うことができませんが、資格外活動許可を受けることで、アルバイトとして働くことが可能になります。

資格外活動許可とは、学生ビザや研究者ビザなどの外国人在留資格を持つ者が、在留資格の目的外で収入を得ることを目的とする場合に、出入国管理及び難民認定法に基づいて、在留資格を有する者に対して許可される手続きのことです。

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特定活動(ワーキング・ホリデー)

ワーキングホリデー制度は、日本と協定を結んだ一部の国や地域の若者に、休暇を楽しみながらアルバイトなどの仕事をする機会を提供するプログラムです。この制度は、異なる文化や生活様式、習慣を理解し合うための素晴らしい機会を提供しています。ワーキングホリデービザを取得すれば、観光を楽しんだり、学校に通ったり、アルバイトをしたりすることができます。専ら仕事を目的とすることは制約がありますが、自身の滞在費用を稼ぐことは認められており、宿泊費や学費などをアルバイトでまかなっている外国人も多くいます。この在留資格は、法務大臣が滞在目的を特定して認めるもので、ワーキングホリデーだけでなく、インターンシップや大学卒業後の留学生の就職活動、アマチュアスポーツ選手などにも適用されます。

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ワーキングホリデー制度とは、2つの国(日本と協定を結んだ国)や地域の青少年に対して、休暇を目的とした滞在とアルバイトなどの就労を認めるものです。ワーキングホリデー制度は就労制限がなく、年齢も若いため戦力となります。雇用前に、在留資格は「特定...

外国人アルバイト採用で必要な手続きと書類

外国人アルバイトを採用する場合、日本人のアルバイトと同様に社会保険などの手続きが必要です。社会保険への加入や所得税・住民税の課税、労働基準法の適用など、基本的には日本人アルバイト採用と同様の手続きを進めれば問題ありません。

日本で働く外国人労働者が支払う「所得税」と「住民税」を解説  | 外国人採用なら「ヨロワーク」
外国人労働者の課税所得の範囲は、居住形態で分けられています。居住形態は大きく分けて「居住者」と「非居住者」で、「居住者」は「非永住者」と「非永住者以外の居住者」に分かれています。住民税は1月1日に国内に住所がある「居住者」が対象です。基本的...

また、外国人ならではの手続きとしては、以下の2つがあげられます。

・ハローワークに提出する「雇用保険被保険者資格取得届」に「雇用する外国人の国籍・地域」「在留資格」「在留期間」を記入すること
・雇用保険に加入しないアルバイトの場合、「雇入れ・離職に係る外国人雇用状況通知書」を提出すること

外国人留学生をアルバイトで採用する際の注意点

最後は、外国人留学生を採用する際の注意すべき点を3つ紹介します。

(1)資格外活動許可を得ていることを確認
(2)就労時間の制限週28時間以内
(3)風俗営業店では働けない

資格外活動許可を得ていることを確認

資格外活動許可を得ている場合のみ、アルバイトとして雇用することができます。
資格外活動許可の有無は、在留カードの裏面にて確認できます。

就労時間の制限週28時間以内

学業目的である留学生は、学業の妨げにならないよう、週28時間以内(残業時間を含む)であれば就労できます。また、校則で定められた長期休暇に限り、制限が緩和されて1日8時間、週40時間まで就労することができます。

風俗営業店では働けない

パチンコ店やバー、ホステスがいる飲食店等の風営法に関する職種で就労することは禁止されています。
留学生が風俗営業を行っていた場合、不法就労として処罰を受けることになるため注意が必要です。

まとめ

外国人をアルバイトとして採用することによって、人手不足を緩和させることができるため、外国人採用に踏み切る企業が年々増加しています。

就労制限がなく長期雇用できる永住者、定住者、配偶者、風俗営業以外で週28時間以内であれば就労できる留学生と、在留資格によって雇用条件が異なります。

それぞれのポイントを押さえながら、外国人採用をうまく取り入れ優秀な人材の育成、確保をすることが、今後の日本企業において不可欠な切り札になることでしょう。