コラム

外国人従業員が退職した際の会社側の手続きや必要書類についてわかりやすく簡単に解説

この記事では、外国人従業員が退職する際の手続きや必要書類について、会社側がどのような対応を行うべきか、わかりやすく解説します。外国人と日本人の退職手続きの違いや、退職後に母国に帰国する場合の諸手続き、さらに注意すべきポイントについても紹介します。外国人の退職に関する様々なケースに対応するための知識を身につけましょう。

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外国人と日本人の退職手続きの違い

外国人と日本人の退職手続きには、基本的な手続きは共通していますが、外国人労働者には特有の手続きもあります。企業側はこれらの手続きを適切に行い、退職者は自身の在留資格や社会保障の状況を考慮しながら、必要な手続きを迅速に行うことが重要です。また、失業給付金を受け取る場合は、失業保険への加入と申請手続きも忘れずに行うようにしましょう。

日本人と同様の手続き

源泉徴収票の交付
源泉徴収票は、退職者が前年度の収入と支払った税金を示す書類です。退職者はこの書類を確定申告や転職先での年末調整に使用します。法律により、退職後1か月以内に源泉徴収票を交付することが求められます。企業がこれを怠ると法的制裁があります。

健康保険の被保険者証の回収
健康保険の被保険者証(健康保険証)は、健康保険に加入していることを証明する書類です。退職後、この証を回収し、健康保険からの脱退を確認します。証明書が紛失している場合は、滅失届を提出する必要があります。

健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届の提出
健康保険・厚生年金被保険者資格喪失届は、退職者が健康保険と厚生年金から脱退することを保険組合や年金事務所に通知する書類です。これは、社会保険からの脱退手続きの一環です。

雇用保険の資格喪失手続き、離職票の交付
雇用保険の資格喪失手続きでは、雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。これに加えて、離職票も交付されます。離職票は、失業給付金(失業手当)を受け取るために必要な書類です。

住民税の手続き
住民税の特別徴収ができなくなるため、退職者の居住地の市町村に住民税の通知を行います。退職者はこの通知を受け、自ら住民税を納付することになります。就職後は、新たな雇用先が市町村に特別徴収を届け出ることになります。

外国人特有の手続き(企業側が実施)に関しては、後述します。

外国人従業員が退職した際に本人が行う手続き・必要書類

外国人従業員が退職する際に、本人が行う手続きとして、まず、退職後14日以内に入国管理局に「契約機関に関する届出」を提出する必要があります。この届出は、契約の終了を入国管理局に通知するもので、法務省のホームページから届出書をダウンロードできます。次に、在留資格の更新や変更が必要な場合は、退職者自身が関連手続きを行います。在留資格の更新や変更が適切に行われないと、滞在が合法でなくなる可能性がありますので、これらの手続きを怠らないようにします。最後に、失業手当を受給するために、退職後に失業保険に加入し、失業手当の申請手続きを行います。失業手当は、失業期間中の生活費を一部補填するためのものであり、申請手続きには受給資格の確認や必要書類の提出が含まれます。これらの手続きを適切に行うことで、退職後の生活や就労状況に対するサポートを受けることができます。

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外国人従業員が退職した際が会社側が行う手続き・必要書類

ここからは、外国人従業員が退職した際に会社側が行う手続きや必要書類について詳しく紹介していきます。

外国人雇用状況の届出(出入国在留管理庁への届出)

会社は、外国人労働者の雇用保険被保険者資格喪失届をハローワークに提出することで、出入国在留管理庁への届出を免除することができます。資格喪失届の備考欄には外国人の国籍や在留資格などが正しく記入される必要があります。

退職証明書の交付

退職証明書は労働基準法に基づいて作成されます。使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職の事由などが記載されます。この証明書は、会社としての事実関係を証明するものであり、入国管理局への提出が求められることがあります。そのため、会社は、従事業務や勤務期間などを記した退職証明書を作成し、退職者に交付します。この退職証明書は、外国人が次の職場で就労する際に必要な書類の一つです。入国管理局の在留資格の手続きや就労資格証明書の交付の際に提出します。

会社都合での解雇や退職の場合

会社都合での解雇などを理由に退職した場合、生計を立てるために資格外活動が認められるケースがあります。また、転職活動を希望する場合は、在留期間が到来したとしても、「特定活動」という別のビザへ変更し、在留が認められる場合があります。在留資格の変更や活動範囲外の行動については、入管法の規定に沿って慎重に行動する必要があります。

外国人従業員が退職後に母国に帰国する場合

外国人従業員が退職後に母国に帰国する場合の手続きやポイントについて紹介していきます。

脱退一時金の手続き

外国人労働者は、帰国前に国民年金や厚生年金の脱退一時金を請求することができます。これは、日本での勤務期間に応じて支払われる退職金の一種です。外国人労働者が日本での勤務期間が10年未満であり、帰国する場合に適用されます。

住民税の支払い

住民税は、日本の居住地での所得に対して課税されます。外国人労働者は、帰国前に残りの住民税を一括して給与や退職金から徴収してもらうことができます。ただし、帰国前に住民税を納めることができない場合は、納税管理人を選任して残りの住民税の支払いを行う必要があります。

銀行口座の解約

帰国前に、日本の銀行口座を解約する必要があります。口座の残高が0円でも解約手続きが必要です。解約手続きには、各銀行の窓口に通帳やキャッシュカード、在留カード、印鑑などを持参する必要があります。

住民票の転出届

帰国する外国人労働者は、帰国前に日本の住民票を転出する必要があります。これには、帰国日を証明する書類(航空券など)、在留カード、パスポートなどの身分証明書を持って、居住地の市・区役所に転出届の手続きを行う必要があります。転出届の提出期間は、帰国予定の約2週間前から可能です。

マイナンバーカードの返却

帰国する外国人労働者は、マイナンバーカードやマイナンバー通知カードを返却する必要があります。これによって、日本国内での居住や労働が終了したことを正式に通知することができます。

その他の手続き

帰国する外国人労働者は、賃貸契約の解約や公共料金の停止、携帯電話やインターネットの解約など、生活全般の手続きも行う必要があります。これらの手続きを適切に行うことで、帰国後の手続きや問題を避けることができます。

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外国人従業員が退職した際の注意点

最後は、外国人従業員が退職した際の注意点を紹介していきます。

就労系在留資格の失効

外国人従業員が自己都合で退職した場合、3ヶ月以上無職状態が続くと、就労系の在留資格(ビザ)が失効する可能性があります。そのため、退職後はできるだけ早く次の職を見つける必要があります。この点を受け入れ企業側も把握しておくことが重要です。

退職届の回収

外国人従業員から退職届を回収することが重要です。特に自己都合での退職の場合は、退職届を回収することで、将来的な問題や法的なトラブルを回避できます。過去には、転職活動がうまくいかず、別の在留資格への変更を試みるために「会社都合で解雇された」と申告するケースもありました。退職届の回収はコンプライアンス上も重要です。

加地 志帆 /外国人実習雇用士

この記事を書いた人

加地 志帆 /外国人実習雇用士

2019年にYOLO JAPANに入社し、外国人ユーザーの満足度向上を目指し、特にSNSを通じたプロモーション活動を担当。その経験を通じ現在は、企業が外国人採用をスムーズに進められるようヨロワークのウェブサイトにて情報発信。具体的には、外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進するコンテンツの提供。 2023年11月には外国人実習雇用士の資格を取得。企業と外国人が共存できる社会を目指すため外国人採用の知識を深めている。

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