やさしい日本語で求人情報を書くといいの?

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「やさしい日本語」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。これは、日本語がよく分からない外国人が読みやすいように、様々な工夫をこらした文章を意味します。人手不足の問題解消のため、外国人の採用を検討している企業にとっては、是非おさえておきたいポイントと言えます。本記事では、やさしい日本語での求人作成方法について詳しく解説します。

求人作成の必須テクニック5選 _ダウンロード画像
やさしい日本語の書き方

やさしい日本語の歴史について

「やさしい日本語」が生まれたきっかけは、地震大国日本の災害対策にあります。大きな地震が発生した時、日本語の情報しか発信されず、日本語が分からない外国人を中心に被害が拡大するという問題が1995年の阪神淡路大震災に確認されました。その後、2004年の新潟中越地震、2011年の東日本大震災といった大震災がもたらした教訓によって、「災害時に外国人がスムーズに情報を知ることができるように」という考え方が広まり、「やさしい日本語」という概念が確立しました。現在では、日本で生活する外国人や観光客との交流・コミュニケーションに役立つこと、高齢者・障がい者・こどもにとっても分かりやすいことから、災害時などに限定せず「やさしい日本語」による発信・活用が推進されています。

ただし、まだ全国どこでも「やさしい日本語」が使われているとは言えず、自治体や企業・団体によって差がある状態です。こういった問題点を改善するために、文化庁などをはじめとして、様々な地方自治体などが「やさしい日本語ガイドライン」や「手引き」を作成しています。しかし実際に、「やさしい日本語」に基づいて、求人情報や募集要項などを外国人向けに作成したい場合、どのように進めればよいのでしょうか。

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やさしい日本語の作り方

やさしい日本語での求人作成

「やさしい日本語」に沿って求人作成する場合、一般的に作業を三段階に分けて行うとよいとされています。

求人コツ①簡潔な文章を作成する

求人作成において「やさしい日本語」を最初から意識するのではなく、まずは、日本語が分かる人に向けた一般的な文章を作成しましょう。ポイントは、簡潔で分かりやすい文章であることです。「文が冗長ではないか」や「情報の過不足がないか」をよくチェックし、必要に応じて、箇条書きや図表にまとめるとよいでしょう。例として「求人に応募する場合は、顔写真つきの履歴書、ある場合は職務経歴書・ポートフォリオを、メールで送付してください」という文章を作成したとします。冗長なので、一文にまとめず「メールに提出書類を添付して送ってください」「提出書類:履歴書(顔写真つき)※職務経歴書・ポートフォリオは提出可能な場合のみ」と分割する、あるいは図・イラストなどを添えて見やすくすることも効果的です。

求人コツ②外国人にとって分かりやすい文章に書き換える

日本人にとって分かりやすい文章が完成したら、外国人にとって分かりやすい文章に書き換えを行います。まず、注意したいポイントは以下の日本語特有の表現です。

  • 二重否定をなくす(例:「運転免許証以外は必要ない」は「運転免許証が必要」とする)
  • 受け身の表現をなくす(例:「人事担当者によって書類は廃棄されます」は「人事担当者が書類を廃棄します」とする)
  • 抽象的な表現をなくす(例:「混雑する時間帯の来社は、なるべく避けてください」は「来社受付時間は〇時から〇時です」とする)
  • 略語は使わない(例:「免許を提出してください」は「運転免許証を提出してください」とする)
  • 難しい表現を使わない(例:「ご記入の上お持ちください」は「紙に書いて持ってきてください」とする)
  • 尊敬語と謙譲語は使わない(例:「お越しください」は「来てください」とする)

次に、日本語の平仮名や漢字しか読めないという人もいるので、ローマ字とカタカナ語もできる限り使用を避けます。「コンセンサス(合意)」や「アポイントメント(面会の約束)」といったビジネス向けのカタカナ語はもちろんのこと、日本人が何気なく使っている「チケット」「ドライバー」「TEL(テル)」なども、やさしい日本語では以下のような言い換えが望ましいとされます。

  • チケットは「切符」
  • ドライバーは「運転する人」
  • TEL(テル)は「電話番号」
  • ウイルスは「病気」
  • スケジュールは「予定」

なお、重要な言葉を使う必要がある場合は、単語の後に<=説明文>という形式で意味を補足しましょう。例えば、「余震<=あとからくる地震>」などです。そして最後に、これまでの修正や言い換えが完了したら、漢字に振り仮名をふりましょう。漢字の上にいれるか、漢字の後ろにカッコ書きで読み方を添える方法の二種類があるので、どちらかで統一させます。また、振り仮名が全文に渡っていると読みづらくなることが多いので、振り仮名がない時よりも行間を開けることをおすすめします。

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求人コツ③日本語教師や外国人に内容をチェックして貰う

ここまで文章を作成したら、外国人や日本語教師などにチェックをして貰い、内容に過不足がないかの意見を貰いましょう。その意見をもとに修正を行うことで、より読みやすいやさしい日本語による求人が完成するはずです。

やさしい日本語での求人情報記載

やさしい日本語は外国人のためだけのものではない

「やさしい日本語」での求人作成は手間暇がかかると感じることもありますが、そもそも日本人にとっても分かりやすい文章を作ることから始めるため、より読みやすく洗練された情報発信が可能となります。採用面接時の書類の提出漏れや、募集要項に関する認識齟齬なども減らせるでしょう。ガイドラインやチェックツールなどを活用して、やさしい日本語の作成に取り組んでみることがおすすめです。

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