コラム

【スペインの大学ランキング2023】人気大学と就職事情を解説

スペインには、多くの優れた大学があり、その中には世界的に評価されている大学もあります。この記事では、スペインの大学ランキング、教育制度、スペイン人の就職事情に関する情報を紹介しています。

今回は、スペインの大学ランキングと就職の可能性について詳しく見ていきましょう。

目次

スペインの基本情報

スペインの大学ランキングや就職事情の前に、まずは、スペインという国の基本情報を紹介します。

首都と主要都市(地理)

スペイン(Spain)は、ヨーロッパの南西部に位置する国で、イベリア半島の大部分を占めています。スペインの首都はマドリード(Madrid)であり、国内最大の都市でもあります。他にもバルセロナ(Barcelona)、バレンシア(Valencia)、セビリア(Seville)、ビルバオ(Bilbao)など、多くの大都市があります。

また、スペインは、フランス、アンドラ、ポルトガル、ギブラルタルと国境を接し、地中海、大西洋、カンタブリア海に面しています。国内には多くの山脈や高原があり、ピレネー山脈、シエラ・ネバダ山脈、カンタブリア山脈などがあります。また、スペインはバレアレス諸島、カナリア諸島などの島々も領有しています。

言語

スペイン語(Castilian Spanish)が公用語であり、全国的に使用されています。カタルーニャ地方ではカタルーニャ語、バスク地方ではバスク語、ガリシア地方ではガリシア語など、地方言語も話されています。

経済と政治

スペインは主要な経済大国で、観光業、農業、製造業、サービス業が主要な経済活動です。観光業は特に重要で、美しい海岸線、歴史的な都市、文化遺産などが観光客を引き寄せています。

スペインは立憲君主制の国で、国王(キング・フェリペVI)が元首です。議会制民主主義が採用されており、スペイン議会(Cortes Generales)は下院(国会)と上院(元老院)からなります。

文化的特徴

スペインは豊かな文化遺産を持つ国で、フラメンコ音楽やダンス、パオ・カスタネット、フラメンコギターなどが国際的に有名です。また、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、ディエゴ・ベラスケスなど多くの有名な芸術家を輩出しました。

また、食文化として、スペイン料理は、多様で美味しいと評判で、パエリア(paella)、タパス(tapas)、ハモン・イベリコ(Iberian ham)、ガスパチョ(gazpacho)などが代表的な料理です。ワインもスペインの文化に深く根付いており、スペインは世界有数のワイン生産国の1つです。

スペインの教育制度の特徴

次に、スペインの教育制度の特徴について見ていきましょう。

スペインの学校体系は、通常、9月から翌年の6月までのカレンダーに基づいています。

また、義務教育は、6歳から16歳までの10年間に及びます。この期間内で、6年間は初等教育(小学校相当)、4年以上は中等教育(中学および高校相当)に割り当てられます。

就学前教育(0歳から5歳まで)

就学前教育は、0歳から5歳までの子供が対象で、2013年時点で在籍率は99%でした。この段階では、0〜2歳児と3〜5歳児向けの2つのサイクルが設けられ、就学前学校などで提供されています。

初等教育(6歳から12歳まで)

初等教育は、6歳から始まり、6年間にわたり、初等学校で提供されます。在籍率は2013年時点で106%でした。

中等教育(12歳から18歳まで)

中等教育は、前期中等教育(4年間)と後期中等教育(1年半〜2年間)から構成されています。前期中等教育は中等学校で行われ、修了時には前期中等義務教育修了証が授与され、後期中等教育は独立した機関で提供されます。

2年の後期中等教育修了後には、後期中等普通教育修了証(Titulo de Bachiller)が取得できます。また、職業教育も提供され、1年半〜2年間の課程修了後に中級技術証が授与されます。

高等教育(大学・上級職業教育)

高等教育は大学で行われ、2013年時点で在籍率は87%でした。大学には学士課程、修士課程、博士課程が存在し、入学には後期中等教育修了証を持つ者向けの選抜試験が行われます。

さらに、中等学校や職業学校で提供される上級職業教育課程において、上級技術証(2年間)を取得できる高度な職業教育も提供されます。この上級技術証は、大学進学の基礎資格となります。

スペインと日本の教育制度の共通点

ここからは、スペインと日本の教育制度に関する共通点を紹介します。

義務教育制度

どちらの国も義務教育を導入しており、基本的な教育を全ての児童・生徒に提供しています。日本では義務教育が小学校から中学校までの9年間で、スペインでは6歳から16歳までの10年間です。

学年制度

両国とも、学年制度を採用しており、生徒は年齢に応じた学年に進級します。小学校、中学校、高校など、異なる学校段階があります。

大学進学

日本とスペインの教育制度は、大学進学において共通点を持っています。高校卒業後、大学進学を希望する生徒は入学試験を受験し、大学に進学します。

スペインと日本の教育制度の違い

続いて、スペインと日本の教育制度の違いを見ていきましょう。

学年スケジュール

最も顕著な違いは、学年の始まりと終わりのスケジュールです。日本の学年は通常、4月から始まり、翌年の3月に終了します。

一方、スペインの学年は通常、9月から始まり、翌年の6月に終了します。この違いは学年のスケジュールや休暇期間に影響を与えます。

学校年齢

日本とスペインでは、義務教育の開始年齢や終了年齢に差があります。日本では義務教育が小学校から中学校までの9年間で、スペインでは6歳から16歳までの10年間です。

そのため、スペインの学生は通常、日本の学生よりも1年長く学校に通います。

学力評価

学力評価の方法にも違いがあります。日本では中学校や高校において、入学試験や大学入試センター試験などで学生の学力が評価されます。

一方、スペインでは通常、学年ごとの成績と修了試験によって学生の進級や卒業が決定されます。

地域差

スペインは、教育における地域差が大きい国で、各自治州が教育に独自の規定を持っています。そのため、スペイン全体での教育制度に加えて、自治州ごとに異なる教育制度やカリキュラムが存在することがあります。

一方、日本の教育制度は、日本全国で統一されています。

スペインの大学ランキング(TOP15)

3つの異なるランキングサイトの情報をもとにした独自の「スペインの大学ランキング」です。なお、ランキングの順位は各サイトの評価に基づいており、他のランキングサイトと異なることにご注意ください。

1位:バルセロナ大学 (Universitat de Barcelona)
2位:マドリッド自治大学 (Universidad Autónoma de Madrid)
3位:マドリッドコンプルテンセ大学 (Complutense University of Madrid)
4位:バルセロナ自治大学 (Universitat Autònoma de Barcelona)
5位:ナバラ大学 (University of Navarra)
6位:ポンペウファブラ大学(バルセロナ) (Universitat Pompeu Fabra)
7位:マドリードカルロス3世大学 (Universidad Carlos III de Madrid)
8位:カタルーニャ工科大学 (Universitat Politècnica de Catalunya)
9位:IE大学 (IE University)
10位:バレンシアポリテクニカ大学 (Universitat Politècnica de València)
11位:ポリテクニカデマドリッド大学 (Universidad Politécnica de Madrid)
12位:アルカラ大学 (Universidad de Alcalá)
13位:グラナダ大学 (University of Granada)
14位:サラゴサ大学 (Universidad de Zaragoza)
15位:セビリア大学 (Universidad de Sevilla)

(参考)Spain | Ranking Web of Universities: Webometrics ranks 30000 institutions
(参考)QS World University Rankings 2022: Top Global Universities | Top Universities
(参考)World University Rankings 2023 | Times Higher Education (THE)

1位:バルセロナ大学 (Universitat de Barcelona)

バルセロナ大学はスペイン最古の大学の一つで、幅広い学術プログラムと研究活動を提供しています。バルセロナ市内に複数のキャンパスを持ち、国際的に高い評価を受けています。

2位:マドリッド自治大学 (Universidad Autónoma de Madrid)

マドリッド自治大学は、マドリッド郊外に広がるキャンパスを持ち、多様な研究機会を提供しています。国内外で高い評価を受け、国際的な学生交流が盛んです。

3位:マドリッドコンプルテンセ大学 (Complutense University of Madrid)

マドリッドコンプルテンセ大学は、スペイン最大かつ最も歴史的な大学の一つで、多彩な学術分野をカバーしています。現代アートや文化に焦点を当てた施設もあります。

4位:バルセロナ自治大学 (Universitat Autònoma de Barcelona)

バルセロナ自治大学は、高い国際性と研究力を持つ大学で、環境科学や社会科学などで評価されています。

5位:ナバラ大学 (University of Navarra)

ナバラ大学は私立の大学で、医学やビジネススクールが国際的に評価されています。キリスト教の価値観に基づいた教育を提供しています。

6位:ポンペウファブラ大学(バルセロナ) (Universitat Pompeu Fabra)

ポンペウファブラ大学(バルセロナ)は、若い大学でありながら、国際的に有名で、特にコミュニケーション学で高い評価を受けています。

7位:マドリードカルロス3世大学 (Universidad Carlos III de Madrid)

マドリードカルロス3世大学は、ビジネススクールや法学部など、高度な学術プログラムを提供しています。国際的な研究と協力プログラムが充実しています。

8位:カタルーニャ工科大学 (Universitat Politècnica de Catalunya)

カタルーニャ工科大学は、工学とテクノロジー分野に特化した大学で、多くのテクノロジー関連企業と協力関係があります。

9位:IE大学 (IE University)

IE大学は、ビジネススクールが国際的に評価され、起業家精神を奨励する環境を提供しています。特にMBAプログラムが有名です。

10位:バレンシアポリテクニカ大学 (Universitat Politècnica de València)

バレンシアポリテクニカ大学は、工学、建築、情報技術など多くの分野で高い評価を受け、美しいバレンシア市内にキャンパスを構えています。

11位:ポリテクニカデマドリッド大学 (Universidad Politécnica de Madrid)

ポリテクニカデマドリッド大学は、スペインのマドリッドにある主要な公立の工科大学です。工学と技術に関する教育と研究の分野でリーダーの一つとして知られています。

12位:アルカラ大学 (Universidad de Alcalá)

アルカラ大学は。マドリッド近郊に位置し、歴史的な価値が高い建物と伝統的なキャンパスを持つ大学です。言語学、文化研究、教育学などの分野で評価が高いです。

13位:グラナダ大学 (University of Granada)

グラナダ大学は、アンダルシア地方に位置し、美しいアルハンブラ宮殿の近くにあります。多くの学問分野で高い評価を受け、スペイン語学習プログラムも充実しています。

14位:サラゴサ大学 (Universidad de Zaragoza)

サラゴサ大学は、アラゴン地方に位置し、工学、科学、医学の分野で評価が高い大学です。また、地域社会への貢献も重視しています。

15位:セビリア大学 (Universidad de Sevilla)

セビリア大学は、アンダルシア地方の州都セビリアにあり、言語学、文化、芸術など幅広い分野で研究と教育が行われています。特に文化遺産の研究に力を入れています。

スペイン人の就職事情

経済状況や産業別の需要に影響されますが、最後は、一般的なスペイン人の就職事情を紹介します。

失業率の高さ

スペインは過去に経済危機を経験し、その影響は長期間にわたりました。その結果、若年層を中心に失業率が高い傾向があります。

(引用)スペイン | 失業率 | 1976 – 2023 | 経済指標 | CEIC

2010年代は、30%近い失業率から徐々に15%程度の失業率に落ちていきましたが、2023年6月時点では、11.60%の失業率となっています。

非正規雇用の多さ

スペインの非正規雇用人材に関する事情は複雑で、労働市場における重要な課題となっています。

非正規雇用は、さまざまな形態で存在し、一時的な契約、パートタイム労働、季節労働、臨時アルバイトなどが含まれます。これらの雇用形態は、雇用主に柔軟性を提供する一方で、労働者には安定性を提供しづらい状況を生み出しています。

労働条件は不安定で、給与が低く、社会保険や退職金といった福祉制度の恩恵を受けにくい傾向があります。スペインの高い失業率は、多くの労働者が非正規雇用に頼る原因の一つとなっています。

特に若者層において非正規雇用が一般的です。

外国人労働者

スペイン国内の外国人労働者については、スペイン経済において重要な役割を果たしています。これらの外国人労働者は、多くの分野で雇用されており、スペインの労働力に多大な貢献をしています。

外国人労働者は、主にヨーロッパ諸国(ロマニア、モロッコ、イタリア、イギリス、ブルガリアなど)からやってきており、また南アメリカ諸国からの移民も多いです。スペインの移民政策は比較的開かれており、EU内からの自由な移動が可能ですが、非EU国籍の外国人労働者には労働ビザの取得が必要です。

外国人労働者は、農業、建設、観光業、医療、情報技術、サービス業など、幅広い分野で雇用されています。特に農業や建設業において、外国人労働者の需要が高い傾向があります。

スペイン政府は外国人労働者の受け入れを積極的に行っており、労働市場において需要の高い職種に対しては、外国人労働者の採用をサポートしています。

一方で、外国人労働者が時折労働条件や給与の不公平、差別、不安定な雇用などの問題に直面することもあります。

まとめ

スペインは美しい自然環境や多彩な文化を持つ国で、バルセロナ大学、マドリッド自治大学などトップ大学が存在します。スペインの教育制度は学年制で、10年間の義務教育から始まり、高等教育に進むことが一般的です。

しかし、失業率の高さと非正規雇用の多さが課題であり、特に若年層に影響を及ぼしています。一方で、外国人労働者も多く、スペインの労働市場において重要な存在となっています。

加地 志帆 /外国人実習雇用士

この記事を書いた人

加地 志帆 /外国人実習雇用士

2019年にYOLO JAPANに入社し、外国人ユーザーの満足度向上を目指し、特にSNSを通じたプロモーション活動を担当。その経験を通じ現在は、企業が外国人採用をスムーズに進められるようヨロワークのウェブサイトにて情報発信。具体的には、外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進するコンテンツの提供。 2023年11月には外国人実習雇用士の資格を取得。企業と外国人が共存できる社会を目指すため外国人採用の知識を深めている。

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