外国人労働者の数が年々増加し、外国人を雇用する際に在留カードの確認や更新作業を行う企業担当者が増えています。不法就労を防ぐだけでなく、貴重な外国人材を長期的に雇用し続けるために必須となる、在留カードのチェック方法や更新・住所変更の手続き方法についてわかりやすく紹介していきます。

在留カードとは
在留カードは、外国人が日本に中長期間(3ヶ月以上)滞在する際に発行される公的な身分証です。在留外国人は在留カードの携帯が義務付けられており、氏名や国籍、住居地、在留資格、在留期間、就労の可否などが記載されています。外国人労働者を雇用する際は、必ず在留カードをチェックし、合法に滞在かつ就労可能な人材であるかを確認しましょう。
在留カードの有効期間
在留カードの有効期間は、在留カードに記載された在留期間の満了日までになります。(永住者、高度専門職2号、16歳未満の場合を除く)
在留資格の有効期間が切れている場合、不法滞在とみなされ、雇用している企業が「不法就労助長罪」として刑事罰に問われるケースがあります。そのため、本人だけでなく、雇用主も在留資格の有効期間を把握する必要があります。
一方で、永住者と高度専門職2号の場合は、在留期間の制限はありませんが、在留カードの有効期限は交付日から7年間になります。在留カードの有効期限が切れた場合、在留資格を失うことはありませんが、在留カードの携帯義務に違反するため、有効期間の確認は必ず実施しましょう。

在留カードの更新・修正について
外国人本人だけでなく、雇用主にとっても非常に重要となる在留カードの更新・修正について、手続きの手順や必要書類などについて解説します。
更新手続きの場所
在留カードの更新手続きは、更新対象者の居住地を管轄する地方出入国在留管理官署、もしくはオンラインで行うことができます。手続きの申請は、外国人本人または、親権者や後見人といった法定代理人、弁護士や行政書士などの取次者が行うことが可能です。地方出入国在留管理官署は、居住地が東京都の場合、東京出入国在留管理局が該当します。お近くの在留管理官署はこちらからご確認ください。
(参考)地方出入国在留管理官署‐出入国在留管理庁
オンライン申請の場合、いつでも申請することが可能です。新しい在留カードは郵送で届くため、お近くの在留管理官署の受付時間が合わない場合は、オンラインでの手続きを推奨します。
(参考)在留申請のオンライン手続-出入国在留管理庁
更新時の必要書類
在留カードの更新申請をする際は、以下の書類の提出が求められます。
・在留カード有効期間更新申請書
・写真
・パスポート
・在留カード
また、在留資格によって、必要書類が異なるため、更新時は事前に出入国在留管理庁のホームページ等で確認する必要があります。
更新手続きの手順
更新手続きを行う際は、原則在留期間の満了日の3ヶ月前から満了日までに、必要書類を用意した上で更新申請を行います。2週間から1か月ほど審査期間を経て、更新結果が記載されたハガキが郵送されます。更新の許可が下りた場合は、ハガキと必要書類、4000円分の収入印紙を持って、在留カードを受け取りに行きます。
住所変更などの場合の対応策
次に、住所等の在留カードに記載の情報を変更する場合の対応について説明します。
住所の変更を行う場合は、転居日から14日以内に市区町村の担当窓口で、住居地届出書と在留カードを持って届け出を行う必要があります。
また、氏名や性別、国籍などの住所以外の変更が必要な場合は、変更が生じてから14日以内に、管轄の在留管理官署に必要書類を持って届出を行うことが必要となります。
更新中に期限切れした場合
在留資格の更新申請中に在留期間の満了日を迎えた場合、「特例期間」という制度により、最大で満了日から2か月間の在留が認められます。また、就労することも認められているため、期間内であれば引き続き勤務することが可能です。しかし、あくまで最大2か月までの滞在しか認められていないため、2か月以内に審査が完了しない場合は不法滞在となります。そのため、なるべく余裕をもって更新申請を行いましょう。
在留カードのチェック方法について
在留外国人の公的な身分証として交付されている在留カードですが、外国人労働者を雇用する際に、有効期限切れや偽造された在留カードを提示されたケースが報告されています。不正就労による罰則から企業を守るためにも、事前に在留カードのチェック方法や偽造カードの見分け方を知っておくことが重要です。

在留カード紛失時の対応
在留カードを紛失してしまった場合は、紛失に気づいてから2週間以内に管轄の在留管理官署に申請する必要があります。申請に必要な書類は、再交付の申請書と顔写真、パスポート、所持を失ったことを証明する資料(遺失届出証明書など)です。
まとめ
在留カードは日本在住の外国人の公的な身分証明書です。外国人を雇用する際は、在留カードを確認し、合法に雇用できる人材なのかを確認することに加えて、有効期限内に更新することが企業を不正就労から守ることに繋がります。そのため、労働者と企業の双方が安心して働くことのできる環境をつくるためにも、企業による在留カードの確認や管理を行いましょう。
