【フィリピンの大学ランキング2023】人気大学と就職事情を解説

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加地 志帆 /外国人実習雇用士

外国人実習雇用士の資格を取得し、企業が外国人採用をスムーズに進められるように外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進する情報を発信しています。

フィリピン出身者の採用および選考プロセスにおいて、「フィリピンの学歴は!?」「この大学の評判は!?」「この教育機関の学位は大学と同等!?」など、疑問を抱えることはありませんか?

この記事では、このような疑問を抱える人事および採用担当者の方々に向けて、フィリピンの大学ランキング、教育制度、フィリピン人の就職事情に関する情報を紹介しています。

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  1. フィリピンの基本情報
    1. 地理と自然環境
    2. 文化と歴史
    3. 経済
    4. 観光
  2. フィリピンの教育制度の特徴
    1. 学年暦と入学年度
    2. 就学前教育
    3. 義務教育
    4. 高等教育
    5. 教育行政
  3. フィリピンと日本の教育制度の共通点
    1. 義務教育制度
    2. 学年暦
    3. 高等教育機関
    4. 教育行政
  4. フィリピンと日本の教育制度の違い
    1. 教育制度の構造
    2. 教育内容
  5. フィリピンの大学ランキング(TOP20)
    1. 1位:フィリピン大学 (University of the Philippines)
    2. 2位:聖トマス大学 (University of Santo Tomas)
    3. 3位:デ・ラサール大学 (De La Salle University)
    4. 4位:アテネオデマニラ大学 (Ateneo de Manila University)
    5. 5位:サン・カルロス大学 (University of San Carlos)
    6. 6位:マプア工科大学 (Mapúa University)
    7. 7位:シリマン大学 (Silliman University)
    8. 8位:ミンダナオ州立大学イリガン・インスティテュート・オブ・テクノロジー (Mindanao State University – Iligan Institute of Technology)
    9. 9位:アダムソン大学 (Adamson University)
    10. 10位:セントラル・ルザン州立大学 (Central Luzon State University)
    11. 11位:中央ミンダナオ大学 (Central Mindanao University)
    12. 12位:セントラル・フィリピン大学 (Central Philippine University)
    13. 13位:ザビエル大学 (Xavier University)
    14. 14位:ザ・フィリピン・ビサヤス大学 (University of the Philippines in the Visayas)
    15. 15位:ミンダナオ州立大学 (Mindanao State University)
    16. 16位:アジアンインスティテュートオブマネジメント (Asian Institute of Management)
    17. 17位:セントルイス大学バギオ市 (Saint Louis University Baguio City)
    18. 18位:リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学 (Lyceum of the Philippines University)
    19. 19位:ユニバーサイダードザンボアンガ (Universidad de Zamboanga)
    20. 20位:ビサヤ大学ガラス大学医学部 (University of Visayas Gullas College of Medicine)
  6. フィリピンの就職事情
    1. BPO産業
    2. 英語能力
    3. 医療分野
    4. IT・テクノロジー分野
    5. 自営業とフリーランス
    6. 失業率と若者の雇用

フィリピンの基本情報

フィリピンの大学ランキングや就職事情の前に、まずは、フィリピンという国の基本情報を見ていきましょう。


・首都:マニラ(Manila)
・公用語:フィリピノ(フィリピンの公用語)と英語
・人口:約1億10万人以上(2022年時点)

地理と自然環境

フィリピンは、東南アジアに位置する島国で、約7,000以上の島々から成り立っています。この国は美しい自然環境で知られており、白砂のビーチ、サンゴ礁、山脈、熱帯雨林が広がります。

文化と歴史

フィリピンは多様な文化と歴史を持つ国でもあります。スペイン植民地時代やアメリカ統治時代の影響が見られ、キリスト教が主要な宗教です。宗教的な祭りや行事が盛大に祝われ、文化的な多様性が際立っています。

経済

経済面では、フィリピンは急速に成長しており、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)業界や製造業が主要な経済セクターです。特にBPO業界は海外からの仕事委託を受けるハブとして成長し、若いプロフェッショナルに雇用機会を提供しています。農業も重要な産業で、米、ココナッツ、バナナ、パイナップルなどが主要な輸出品です。

観光

観光業もフィリピンの経済に大きな貢献をしており、国内外から多くの観光客が訪れます。美しいビーチリゾート、ダイビングスポット、歴史的な遺跡、自然公園が魅力で、ボラカイ、パラワン、セブ島、ボホール島などが特に有名です。ダイビング愛好者にとっては、多様な海洋生物と美しいサンゴ礁が楽しめる素晴らしい場所です。

フィリピンの教育制度の特徴

ここからは、一般的なフィリピンの教育制度の特徴についてみていきましょう。

学年暦と入学年度

フィリピンの教育制度は、独自の学年暦と幅広い教育機会を提供する点で特徴的です。学年暦は通常の学年暦とは異なり、3月に学年が始まり、翌年の2月に終了します。このため、学校年度は通常のカレンダー年とは異なり、6月から3月までとなっています。学生は通常、6歳から学校に入学し、初等教育から中等教育へと進みます。

就学前教育

フィリピンでは就学前教育が重要視されており、3歳から5歳までの幼児を対象にした幼稚園などが提供されています。在籍率は高く、約81%に達しています。

義務教育

義務教育は、5歳から18歳までの13年間にわたり、初等教育(小学校)と中等教育(中学と高校)を含みます。初等教育は通常6年間で、初等学校で提供され、卒業時に初等学校卒業証書が授与されます。中等教育は前期と後期に分かれており、前期中等教育は4年間、後期中等教育は2年間です。それぞれの段階で卒業証書が授与されます。

高等教育

高等教育は大学や単科大学で提供され、多くの学位プログラムが用意されています。これには準学士課程(2 〜 3 年)、学士課程(4 〜 6 年)、修士課程(2 〜 3 年)及び博士課程(3 年)が含まれます。

フィリピンの大学進学率は、2020年にUNESCOが調査した際に約35%で、世界的にみると153ヵ国中88位という位置づけです。この進学率は、フィリピンの教育水準にも関連している数字であり、金銭的理由、出稼ぎを選ぶ傾向、若者の結婚・出産が多いことなどが原因とされています。

教育行政

教育行政は、教育省が初等中等教育政策の立案・実施、学校の監督を行う中心的な機関です。高等教育については、高等教育委員会が所管し、中等後教育機関は技術教育技能開発庁が監督しています。これにより、フィリピンの教育制度は、段階的な進学機会と質の高い教育の提供に向けた取り組みが行われています。

フィリピンと日本の教育制度の共通点

フィリピンと日本の教育制度にはいくつかの共通点があります。ここからは、その共通点について詳しく紹介していきます。

義務教育制度

フィリピンと日本の両国は、義務教育制度を採用しており、基本的な教育を受ける機会が提供されています。日本では小学校から中学校までの9年間が義務教育期間で、フィリピンでは初等教育から中等教育までの13年間が義務教育期間です。

学年暦

フィリピンと日本の両国は、独自の学年暦を持っています。日本では学年は4月から3月までの期間であり、新学年は春に始まります。フィリピンでは学年は6月から3月までの期間であり、新学年は夏に始まります。

高等教育機関

フィリピンと日本のどちらの国も高等教育機関が豊富に存在し、学士号、修士号、博士号を取得できます。大学、専門学校、職業訓練機関などが提供する多様な学位プログラムがあります。

教育行政

フィリピンと日本の両国には教育行政機関が存在し、教育政策の立案、実施、学校の監督を担当しています。日本では文部科学省が、フィリピンでは教育省がそれぞれの役割を果たしています。

フィリピンと日本の教育制度の違い

フィリピンと日本の教育制度は、共通点もありますが、文化や社会的背景に応じて異なる特徴を持っています。ここからは、その違いを紹介していきます。

教育制度の構造

日本の教育制度は9年間の義務教育期間を経て、高等教育に進むことが一般的です。

一方、フィリピンの教育制度は13年間の義務教育期間を持ち、初等教育から中等教育へと段階的に進学します。

教育内容

両国の教育内容やカリキュラムは異なり、言語、教科、教育制度のアプローチに違いがあります。日本では日本語が主要な言語であり、教科ごとに詳細なカリキュラムが用意されています。

フィリピンでは英語が広く使用され、カリキュラムにはキリスト教教育などが組み込まれています。

フィリピンの大学ランキング(TOP20)

異なるランキングソースのデータを参考にして、フィリピンの大学を総合的に評価した「YOLO WORK」独自のフィリピン大学ランキングを紹介していきます。

1位:フィリピン大学 (University of the Philippines)
2位:聖トマス大学 (University of Santo Tomas)
3位:デ・ラサール大学 (De La Salle University)
4位:アテネオデマニラ大学 (Ateneo de Manila University)
5位:サン・カルロス大学 (University of San Carlos)
6位:マプア工科大学 (Mapúa University)
7位:シリマン大学 (Silliman University)
8位:ミンダナオ州立大学イリガン・インスティテュート・オブ・テクノロジー (Mindanao State University – Iligan Institute of Technology)
9位:アダムソン大学 (Adamson University)
10位:セントラル・ルザン州立大学 (Central Luzon State University)
11位:中央ミンダナオ大学 (Central Mindanao University)
12位:セントラル・フィリピン大学 (Central Philippine University)
13位:ザビエル大学 (Xavier University)
14位:ザ・フィリピン・ビサヤス大学 (University of the Philippines in the Visayas)
15位:ミンダナオ州立大学 (Mindanao State University)
16位:アジアンインスティテュートオブマネジメント (Asian Institute of Management)
17位:セントルイス大学バギオ市 (Saint Louis University Baguio City)
18位:リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学 (Lyceum of the Philippines University)
19位:ユニバーサイダードザンボアンガ (Universidad de Zamboanga)
20位:ビサヤ大学ガラス大学医学部 (University of Visayas Gullas College of Medicine)

それでは、ここからは各大学の特徴を簡単に紹介していきます。

1位:フィリピン大学 (University of the Philippines)

フィリピン大学は、フィリピン最古かつ最大の国立大学で、1908年に設立されました。大学の本拠地はマニラにあり、多くの地域キャンパスも展開しています。この大学は幅広い学術分野において高い評価を受けており、特に工学、医学、法学、経済学などが優れています。また、国際的な研究活動と社会的使命に焦点を当て、フィリピン社会の向上に貢献しています。

2位:聖トマス大学 (University of Santo Tomas)

聖トマス大学は、アジア最古かつ世界最古のカトリック大学として1611年に設立されました。大学はマニラに位置し、カトリック教育と文化の中心地として知られています。医学、法学、看護学、工学など多くの学術分野で高い評価を受けており、その歴史とトマシアン・エシックス(トマス大学生の価値観)に基づいた教育が特徴です。

3位:デ・ラサール大学 (De La Salle University)

デ・ラサール大学は、マニラに本拠を置くカトリック系の私立大学で、フィリピンでもトップの私立大学の1つです。高品質の教育を提供し、経営学、工学、コンピューターサイエンスなどの分野で優れた評判を持っています。また、学生対学生の対話を奨励し、リーダーシップと倫理的価値観の養成にも力を入れています。

4位:アテネオデマニラ大学 (Ateneo de Manila University)

アテネオデマニラ大学は、カトリック系の私立大学で、マニラ都市圏に位置しています。総合大学であり、経済学、法学、人文科学、社会科学など幅広い分野で高い評価を受けています。また、教育改革と社会的使命にコミットメントを持ち、社会的貢献を重視しています。

5位:サン・カルロス大学 (University of San Carlos)

サン・カルロス大学は、フィリピンのセブ市に位置する私立の大学で、フィリピン最古の学校の1つです。工学、看護学、医学、ビジネスなどの分野で高い評価を受けており、地域社会と連携し、教育と研究を通じて地域発展に貢献しています。

6位:マプア工科大学 (Mapúa University)

マプア工科大学は、エンジニアリングと情報技術に特化した私立大学で、フィリピン最大の工科大学の1つです。技術教育に力を入れ、コンピューターサイエンス、電子工学、建築学などの分野で優れた評判を持っています。また、インダストリーとの連携を重視し、実践的な教育を提供しています。

7位:シリマン大学 (Silliman University)

シリマン大学は、ビサヤ地方のダグパン市に位置し、私立のカトリック系大学です。芸術、文学、音楽、環境科学など幅広い学術分野で高い評価を受けており、国際的な交流と地域社会への奉仕活動が特徴です。

8位:ミンダナオ州立大学イリガン・インスティテュート・オブ・テクノロジー (Mindanao State University – Iligan Institute of Technology)

ミンダナオ州立大学イリガン・インスティテュート・オブ・テクノロジーは、ミンダナオ島に位置する州立の大学で、工学、情報技術、経営学などで高い評価を受けています。科学技術の研究と地域発展への貢献が重要な使命です。

9位:アダムソン大学 (Adamson University)

アダムソン大学は、マニラに位置する私立大学で、工学、ビジネス、法学、看護学などの分野で高い評価を受けています。カトリック教育の伝統を継承し、学生の倫理的価値観を重視しています。

10位:セントラル・ルザン州立大学 (Central Luzon State University)

セントラル・ルザン州立大学は、セントラルルソン州に位置し、工学、農学、獣医学など幅広い分野で高い評価を受けています。特に農業と環境科学に力を入れ、地域農業の発展に貢献しています。これらの大学はフィリピンの教育システムにおいて重要な役割を果たし、異なる学術分野で高品質の教育を提供しています。

11位:中央ミンダナオ大学 (Central Mindanao University)

中央ミンダナオ大学は、ミンダナオ島に位置し、農学、獣医学、農村開発などの分野で高い評価を受けています。地域の農業と持続可能な開発に焦点を当て、研究と教育を通じて地域社会の発展に貢献しています。

12位:セントラル・フィリピン大学 (Central Philippine University)

セントラル・フィリピン大学は、イロイロ市に位置する私立大学で、医学、薬学、宗教学などの分野で高い評価を受けています。カトリック教育の伝統を持ち、学問と宗教的な価値観の統合を重視しています。

13位:ザビエル大学 (Xavier University)

ザビエル大学はセブ市に位置し、教育、看護学、ビジネスなどの分野で評価されています。特に教育学部は高品質の教育者を養成し、地域の教育改革に寄与しています。

14位:ザ・フィリピン・ビサヤス大学 (University of the Philippines in the Visayas)

ザ・フィリピン・ビサヤス大学は、ビサヤ地方に位置し、農学、海洋学、環境科学など幅広い分野で高い評価を受けています。地域の自然環境に特化した研究と教育が特徴です。

15位:ミンダナオ州立大学 (Mindanao State University)

ミンダナオ州立大学は、ミンダナオ島に複数のキャンパスを持つ州立大学で、工学、情報技術、農学などの分野で高い評価を受けています。地域発展と研究活動を通じて、ミンダナオ地域の発展に貢献しています。

16位:アジアンインスティテュートオブマネジメント (Asian Institute of Management)

アジアンインスティテュートオブマネジメントは、マカティ市に位置する経営学の専門大学で、経営学、経営管理、組織論などの分野で高い評価を受けています。ビジネスリーダーシップの養成と国際的な視野を重視しています。

17位:セントルイス大学バギオ市 (Saint Louis University Baguio City)

セントルイス大学は、バギオ市に位置し、看護学、工学、ビジネスなど多くの分野で高い評価を受けています。特に看護学のプログラムは評判が高く、優れた看護師を養成しています。

18位:リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学 (Lyceum of the Philippines University)

リセウム・オブ・ザ・フィリピン大学は、マニラに位置する私立大学で、ビジネス、法学、観光学などの分野で評価されています。実践的な教育と産業界との連携を重視し、学生の職業準備を支援しています。

19位:ユニバーサイダードザンボアンガ (Universidad de Zamboanga)

ユニバーサイダードザンボアンガは、ザンボアンガ市に位置し、看護学、工学、教育学などの分野で高い評価を受けています。地域の医療と教育に貢献し、地域社会のニーズに応えています。

20位:ビサヤ大学ガラス大学医学部 (University of Visayas Gullas College of Medicine)

ビサヤ大学ガラス大学医学部は、セブ市に位置し、医学の分野で高い評価を受けています。医学教育と臨床実習に焦点を当て、優れた医師を育成しています。

フィリピンの就職事情

最後は、フィリピンの就職事情について、紹介していきます。

BPO産業

フィリピンは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)産業で知られており、多くの外資系企業がコールセンター、データ入力、カスタマーサポートなどのアウトソーシング業務をフィリピンに委託しています。この産業は多くの雇用機会を提供しており、英語力を活かすことができる職種が多く存在します。

英語能力

フィリピンは英語が公用語として広く使用されており、多くの人々が優れた英語能力を持っています。このため、英語を用いる国際的な業界や職種での就職が容易です。英語教育も盛んで、英語教師としての求人もあります。

医療分野

フィリピンの看護師や医療関連職業は高く評価されており、多くのフィリピン人が海外で医療職に就いています。国際的な資格を持つ医療従事者は、高給与を得る機会があります。

IT・テクノロジー分野

フィリピンはプログラミング、ウェブ開発、デザインなどのIT関連分野でも成長しており、多くのテクノロジー企業がフィリピンに拠点を置いています。特にフリーランスやデジタルノマドとして働く人々が増加しています。

自営業とフリーランス

フィリピンでは自営業者やフリーランスの人々が多く、特にコンサルタント、ライター、デザイナー、プログラマー、デジタルマーケターなどが自分のビジネスを立ち上げています。オンラインプラットフォームを活用してクライアントと仕事を受注することが一般的です。

失業率と若者の雇用

フィリピンの失業率は時折変動しますが、若者の失業率は他の年齢層よりも高い傾向があります。このため、教育とスキル習得が若者の雇用機会向上に重要です。

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