政府は、永住許可を持つ外国人が税金や社会保険料を滞納した場合に、その永住許可を取り消す方針を打ち出しました。この措置は、日本における外国人居住の増加に伴い、制度の適正化を図るためのもので、この方針は、国会で入管法改正案が提出される見通しです。
永住者とは通常、日本に長期滞在し就労に制限のない外国人であり、特定の要件を満たした人に内務大臣が認可する資格です。しかしながら、現行法では永住者が要件を満たさなくなっても、資格を取り消すことはできません。
▼永住許可取得の要件
①素行が善良であること
・法律を遵守し、日常生活において社会的に非難されない生活を送っていること。
②独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
・公共の負担にならず、将来に安定した生活が見込まれる資産又は技能を有していること。
③その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
・10年以上の在留期間を要し、5年以上の就労資格又は居住資格を持っていること。
・罰金刑や懲役刑などを受けておらず、公的義務を適正に履行していること。
・現在の在留資格の最長在留期間を持っていること。
・公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

政府は、故意に税金や社会保険料を滞納する永住者の存在を問題視しており、悪質なケースについては地方自治体が通報し、永住許可を取り消せるような仕組みに変更することを決定しました。さらに、1年以下の懲役や禁錮刑を受けた場合も、永住許可の取り消しを検討しています。
政府はまた、外国人労働者を受け入れる新しい枠組みである「育成就労」制度を創設する方針です。これにより、永住許可の要件を満たす外国人が増加する見込みですが、この制度の創設に関連する法案も今国会で提出される予定です。
一方で、税金や社会保険料の未納には、貧困などの悪質な事情がある場合もあります。外国人問題に詳しい弁護士からは、「受け入れた人々を追い出すというのは『共生』とは逆のアプローチだ」との指摘もあります。
(参考)税未納なら永住許可取り消し 悪質ケース、自治体が通報―政府、今国会に入管法改正案:時事ドットコム



税金や社会保険料の未納や犯罪行為は、社会全体に影響を及ぼす重大な問題です。日本人であっても、これらの法律や規則に違反した場合には一定の制限が課されます。外国人に対しても同様のルールが適用されることは、公平であるとともに、法の下での平等を示すものです。したがって、この措置は外国人と日本人が共に安全で公正な社会で共存するために良い方向に進んでいるのではないかと思います。