コラム

【2023年最新】日本全国の外国人雇用で活用できる補助金・助成金一覧

2019年に出入国管理法が改正され、各業界で外国人採用を促進する事業所が年々増加傾向にあります。しかし中には、外国人雇用にかかる費用に不安を感じる雇用主も少なくはありません。そこで今回は、外国人雇用でもらえる助成金について、助成金の種類や申請方法、申請時の注意点の観点から解説します。

外国人の雇用で活用できる補助金・助成金の種類(全国)

外国人を雇用することによって、雇用の促進や人材の育成など特定の条件を満たす場合、各省庁から補助金や助成金が提供されます。厚生労働省が提供する外国人雇用に関連する助成金を利用するために必要な条件は、事業所が雇用保険に加入していることです。さらに、賃金台帳の整備などが必要となります。申請に必要な書類や整備方法については、社会保険労務士にご相談いただくことをお勧めします。

厚生労働省が提供する外国人雇用に関する助成金の一覧は、以下の通りです。国籍に関係なく利用できる助成金も多く存在します。

雇用調整助成金

【目的】
事業規模の縮小に伴い、従業員の雇用を維持するために休業手当の支給や出向させることで、雇用調整を実施することを支援する。

【対象者】
経済的理由や事業活動の縮小により、事業を縮小せざるを得ない事業主。

【助成額】
人当たり最大8,265円の労働者助成金。

▼新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例について(2023年10月現在終了)
 2022年9月30日まで、新型コロナウイルス感染症の影響による特例が適用されています。この特例により、雇用調整助成金の期限が何度も延長されています。

【目的】
新型コロナウイルス感染症の影響により、事業規模を縮小せざるを得ない企業に対して、従業員の雇用を維持する支援を提供。

【対象者】
売上の減少により従業員を計画的に休業させ、休業手当を支給している事業主。今回の特例では、「計画届」(雇用調整の計画)の提出が不要となっており、2022年9月末までの休業の場合、簡略化された手続きが可能。

【助成額】
基本的には、1人あたり1日あたり最大11,000円もしくは9,000円(2022年3~9月の休業の場合)までの労働者助成金が適用される上限。

【手続き方法】
ハローワークでの来所、郵送、またはオンライン申請が可能です。

詳細については、厚生労働省の「雇用調整助成金」をご覧ください。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

【目的】
職業経験、技能、知識などから安定的な就職が難しい求職者(過去に就職経験のない方やフリーターなど)を雇用するための支援制度。

【対象者】
一定期間の試用雇用(トライアル雇用)を提供する雇用保険適用事業所。

【条件】
ハローワークや職業紹介事業者からの紹介後、一定期間の試行雇用を実施した場合に助成金を受けることができます。

【助成額】
1人当たり月額最大5万円で、最長3ヵ月間支給されます。

【手続き方法】
労働局またはハローワークでの申請が可能です。

▼新型コロナウイルスの影響による特例
新型コロナウイルスの影響により休業した場合、トライアル雇用期間を特例的に変更することができます。通常は予定通りのトライアル雇用期間が適用されますが、この特例では、休業期間中の勤務予定日を除いて、終了日の翌日以降に期間を追加できます。

詳細については、厚生労働省の「トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)」をご覧ください。

外国人労働者の雇用環境整備支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

【目的】
外国人労働者の特有のニーズに適した雇用環境を整備し、彼らの職場定着を促進するための支援制度。外国人労働者への経費の一部を助成します。

【対象】
以下の条件を満たす事業主。

【条件】
新たに外国人労働者向けの雇用環境整備措置を導入し、全ての外国人労働者に適用すること。また、就労環境整備計画の期間終了後、一定期間が経過し、外国人労働者の離職率が10%以下であることなど。

【助成額】
対象経費の1/2(最高額57万円)。さらに、生産性向上の要件を満たす場合、助成金が対象経費の2/3(最高額72万円)に増額されます。

【手続き方法】
労働局またはハローワークでの申請が可能です。

詳細については、厚生労働省の「外国人労働者の雇用環境整備支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」をご覧ください。

専門知識・技能習得支援助成金(特定訓練コース)

【目的】
職務に関連する専門知識や技能を習得するための訓練中において、賃金と経費をサポートする支援制度。

【条件】
訓練実施計画を策定し、訓練開始日の1か月前までに管轄の労働局に提出することが必要です。

【助成額】
最大50万円の補助が可能で、特に中小企業や訓練時間が200時間以上の場合に適用されます。

【手続き方法】
労働局またはハローワークでの申請が行えます。

詳細については、厚生労働省の「人材開発支援助成金」をご覧ください。

キャリアアップ助成金(正社員化コースその他処遇改善支援にかかるコース)

【目的】
非正規雇用から正社員への転換や処遇の改善など、雇用条件の向上を促進するための支援制度。国籍に制約はなく、外国人社員も適用可能。賃金改定や社内制度の変更を目指す場合にも申請可能です。なお、2022年4月1日以降、有期雇用から無期雇用への転換に関する助成は廃止されました。

【対象】
以下の条件を満たす事業主。

【条件】
雇用保険適用事業所の事業主であり、キャリアアップ管理者を指定し、キャリアアップ計画を策定し、管轄労働局長から受給資格の認定を受けていること。計画期間内にキャリアアップに対する取り組みが行われていること。

【助成額】
コースにより異なります。生産性向上の要件を達成すると助成金額が増額されます。特に、生産性要件を満たす中小企業が最高額を受給できるように制度が設計されています。

【キャリアアップ助成金の種類】
正社員化支援
・正社員化コース
・障害者正社員化コース

【処遇改善支援】
・賃金規定等改定コース
・賃金規定等共通化コース
・賞与・退職金制度導入コース
・選択的適用拡大導入時処遇改善コース
・短時間労働者労働時間延長コース

各コースの詳細な助成金額については、厚生労働省の「キャリアアップ助成金」をご参照ください。

外国人採用助成金の申請

補助金・助成金の申請から着金までの流れ

ここからは、一般的な補助金や助成金の申請から着金までの流れを紹介します。

補助金申請の流れ

①公募申請
公募申請は、募集要領に則り、必要書類を整え、受付期間内に申請書および関連書類を提出いたします。現在、申請手続きは電子化が進んでおり、事前登録が必要なケースが多くなっていますので、早めの段取りが必要です。

②審査と採択
通常、審査には1〜2ヶ月かかります。書類審査に加え、場合によっては「ヒアリング」(面談)の二段階審査が行われることもあります。採択されると、採択通知書が送付されますが、採択決定と補助金の交付は同義ではありません。物品購入などは、「交付決定」後に行えます。

③交付申請と交付決定
採択決定後、交付申請書を提出します。申請内容は精査され、経費の適合性が確認された後、交付決定が下されます。この手続きが完了すると、補助事業を開始できます。

④補助事業期間
補助事業期間中に行われた発注、納品、検収、請求、支払いにかかる経費が補助の対象となります。細かな規定があるため、事務処理の手引きなどのマニュアルに従って経費を管理してください。また、事業によっては中間検査や報告要請が行われる場合もあります。

⑤完了報告と検査
補助事業終了後、指定された期限内に、指定のフォーマットに基づく完了報告書を提出します。その後、発注に関連する証憑の確認を行う確定検査が実施され、完了報告書の内容と合わせて補助金の支払額を確定する「確定通知書」が発行されます。証憑に不備がある場合、減額の可能性もあるため、関連書類の整備に十分な注意が必要です。

⑥補助金の受領
確定通知書を受け取ったら、指定のフォーマットに基づく「補助金支払い請求書」を提出します。通常、確定した補助金は、1ヶ月以内に指定した銀行口座に支払われます。

助成金申請の流れ

①助成金の申請手続き
最初に、事業改善計画と賃上げ計画を含む助成金の申請書を作成し、それを都道府県労働局に提出します。

②助成金の承認通知
申請書の内容が審査を通過すれば、助成金の承認通知が送付されます。

③業務改善と賃上げ計画の実施
設備やサービスの改善により、業務を効率化し、生産性を向上させます。

④事業実績の報告書提出
業務改善の成果と賃上げの進捗状況をまとめた事業実績報告書を都道府県労働局に提出します。

⑤助成金額の確定通知
報告書が承認されると、助成金の額が確定し、通知が届きます。

⑥支払い請求書の提出
助成金の受け取りを要求するために、支払請求書を都道府県労働局に提出します。

⑦助成金の受領
支払いが行われ、全ての手続きが完了します。

日本全国の外国人雇用で活用できる補助金・助成金一覧

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まとめ

補助金や助成金は、要件を満たせばもらえる助成金は魅力的です。しかし、目的は補助金や助成金を受けることではなく、改善や育成、維持や向上といった事業の発展、人材成長に投資されるものです。

企業の経営を助け、採用の維持・促進を目的として、主に厚生労働省が中心となって行っています。「雇用維持」「新規雇用」「人材育成」に加え、労働環境を整えることのさまざまな助成プランがありますので、自社にあった最適なものを選びましょう。

加地 志帆 /外国人実習雇用士

この記事を書いた人

加地 志帆 /外国人実習雇用士

2019年にYOLO JAPANに入社し、外国人ユーザーの満足度向上を目指し、特にSNSを通じたプロモーション活動を担当。その経験を通じ現在は、企業が外国人採用をスムーズに進められるようヨロワークのウェブサイトにて情報発信。具体的には、外国人採用プロセスの支援、異文化理解を促進するコンテンツの提供。 2023年11月には外国人実習雇用士の資格を取得。企業と外国人が共存できる社会を目指すため外国人採用の知識を深めている。

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